日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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発育発達/ポスター発表

2023年9月1日(金) 10:00 〜 11:00 RY205 (良心館2階RY205番教室)

[07発-ポ-10] 運動遊び指導に幼小の違いはあるのか

*吉田 伊津美1 (1. 東京学芸大学)


《目的》保育者と小学校教諭の運動遊び指導の相違を明らかにすることを目的とした。
《方法》〇対象:幼稚園・保育園の保育者(1,169名)、小学校教諭(108名)の計1,277名 〇調査内容:園での運動遊び及び低学年体育授業での運動遊び指導に関する実際の運動指導及び理想とする運動指導(51項目)、指導形態に関する内容等を尋ねる質問紙調査 〇時期:2021年2月~2022年11月
《結果と考察》実際の運動遊び指導について5段階で尋ねた51項目について探索的因子分析(最尤法・プロマックス回転)を行い5因子が抽出された。これらについて保育者と小学校教諭を比較したところ、「(動きを引き出す)環境の構成・教材の工夫」「子どもの自己決定重視」「子どもの取組み・心情重視」は保育者が有意に高く、「能力技能向上・結果重視」「教師主導」は両者に違いはなかった。一方、普段の指導形態について遊び要素(子どもの自己決定)の程度を7段階で尋ね、保育者と小学校教諭を比較したところ保育者の方がより遊び要素の高い指導形態であった。これらは幼児教育と小学校教育のねらい・目標、教育課程、方法等の違いによることが考えられた。また、5因子について実際の運動遊び指導と理想とする運動遊び指導を比較した結果、保育者・小学校教諭ともすべての因子で実際の運動遊び指導よりも理想とする運動遊び指導得点が有意に高くなっていた。理想とする運動遊び指導については「(動きを引き出す)環境の構成・教材の工夫」「子どもの取組み・心情重視」は保育者が小学校教諭よりも有意に高いもののその他には違いは見られなかった。これらのことから、小学校教諭は保育者と比較し遊び志向は低い運動指導の実践ではあるものの、低学年体育において遊びとしての運動指導の重要性を理解し指導していることが考えられた。