[07発-ポ-11] 絵本を活用した幼児の健康教育
運動遊びでボディイメージの促進を目指して
【背景】
基本的生活習慣の形成期である幼児期において、身体活動量の確保は重要である。しかし、様々な社会環境により幼児の身体活動量は低下している。身体活動量の低下は、子どもの運動に対する意欲の減退を意味しており危機的状況である。また、幼児期には、基本的動作の獲得をすることでボディイメージを形成し、様々な動きへ発展していくが身体活動量の低下はこうしたボディイメージにも影響を及ぼす。幼児期において、オノマトペ表現が身体性を促すことや視覚刺激により摸倣が伝播していくと言われるが、幼児期の健康教育において、自分の身体像や身体感覚を表出する保育教材の開発が求められている。
【目的】
本研究は、絵本を手立てとした幼児のボディイメージの変容について調査するものとする。自分の身体像や身体感覚を表出する保育教材として、絵本の活用ができる仕組み作りと実装を目的とした。
【方法】
幼児が持つボディイメージを表象するために、人物描画法DAM法を用いる。鉛筆と消しゴム、画用紙を用意し、被験者にはひとりの人物を描くように「人をひとり描いて下さい。頭から足の先まで全部ですよ。」という内容で教示する(田中,2006)。得点化については、先行研究(小 林,1977)に基づいて、15部位(Gorman,1969、松永,1996、日比,1994)について各描画項目の達成基準に該当すれば、それぞれ1点を与えて評価(最高15点)する。その後、偕成社出版の「できるかな?あたまからつまさきまで」の読み聞かせを行いながら、体操を実施する。再度DAM法を用いてイラストを記入し得点化を行う。分析方法は統計処置でT検定を実施する。
【結論】
体操を題材にした絵本において、動物の動きを視覚的に捉え、擬音語で動きのイメージをしながら体操することによって、幼児自身のボディイメージの促進に繋がったと考えられる。