日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育心理学(偶数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 11:00 〜 12:00 RY205 (良心館2階RY205番教室)

[03心-ポ-36] 2型糖尿病患者のセルフエフィカシーと生活習慣実態および血糖管理の関連性

治療行動に対する運動・食事・投薬のセルフエフィカシーに着目して

*門脇 未来1、西垣 景太1,2 (1. 東海大学健康学研究科、2. 東海大学健康学部)


2型糖尿病治療では、患者の自己管理によって生活習慣を適正に保つ努力が求められ、食事・運動・投薬治療の全てが必要とされる。そのため、本研究では2型糖尿病患者の治療行動に対するセルフエフィカシー(以下SE)の重要性を明らかにするため、治療行動に対するSEと生活習慣実態、血糖管理の関連性を検討した。 研究参加施設にて外来通院中の2型糖尿病で投薬療法を実施中の患者のうち、研究参加に同意の得られた300名を対象とした。定期受診時に運動・食事・投薬に関するSEと生活習慣実態、血糖管理に関する調査アンケートを実施した。それらの結果と患者背景、採血データを用い統計学的検討を行った。 男性198名、女性92名、平均年齢は男性63.1±12.2歳、女性60.0±11.0歳であった。SE合計点に関して重回帰分析を行った結果、生活習慣尺度の運動状況1.29[95%CI:0.9 1.7]と食事内容0.84[同:0.5 1.2]、HbA1c-1.15[同:-2.1 -0.3]、診察時DBP0.09[同:0.0 0.2]が独立した因子であった。多重代入法を用いてROC曲線から求められたSE合計点39 点で2群に分け、背景を傾向スコアマッチングさせた結果、SE合計点39点以上の群において、HbA1c7%未満の患者が有意に多かった。さらに運動SEに関して重回帰分析を行った結果、運動状況0.80[同:0.6 1.1]、HbA1c-0.75[同:-1.3 -0.2]、診察時DBP0.05[同:0.0 0.1]、BMI-0.11[同:-0.2 -0.0]が独立した因子として認められた。しかし運動SEに関する傾向スコアマッチング解析では、運動SEと血糖管理に明らかな差は認めなかった。以上から、SE合計点の高さが調査時の血糖管理に影響していると考えられる。ただし本研究は横断研究であり、縦断的な検討が必要であると思われる。