The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » 体育心理学

体育心理学(偶数演題)/ポスター発表

Fri. Sep 1, 2023 11:00 AM - 12:00 PM RY205 (良心館2階RY205番教室)

[03心-ポ-44] 女性スポーツ競技者の食行動異常に関係する適応・不適応的感情調節方略

*Eriko Aiba1, Kojiro Matsuda2, Yoshio Sugiyama3 (1. Nagasaki International University, 2. Kumamoto Gakuen University, 3. Kyushu University)


女性スポーツ競技者において有病率が高く、深刻な精神疾患の一つに摂食障害がある。摂食障害の主症状として、過度な食事制限や過食などの持続的な「食行動異常」があるが、これらは摂食障害の発症に先行するリスク要因でもある (Jacobi et al., 2004)。近年の研究では、この食行動異常と関連する要因として「感情調節」が着目されており (e.g., Wollenberg et al., 2014)、例えば、反芻や表出抑制といった方略を使用する人ほど食行動異常に認められやすいことが報告されている (Aldao et al., 2010; 村山, 2021)。しかしながら、日本人女性スポーツ競技者の食行動異常と感情調節の関連を検討した研究はほとんど報告されていない。そこで本研究では、女性の大学生スポーツ競技者に着目し、食行動異常と感情調節方略の関連について検討することを目的とした。なお、本研究は、研究代表者が所属する機関の研究倫理委員会から承認を得た上で実施された。 本研究では、大学運動部に所属する女性のスポーツ競技者127名 (平均年齢19.84±.86歳) を対象に、Web上でアンケート調査を実施した。調査では、食行動異常については、新版食行動異常傾向測定尺度 (山蔦ほか, 2016) を用い、感情調節方略については、日本語版CERQ (榊原,2015) および感情調節尺度日本語版 (吉津ほか、2013) を用いて測定した。分析の結果、食行動異常の3つの形態 (非機能的ダイエット、食事へのとらわれ、むちゃ食い) に対して、それぞれ不適応的感情調節方略の使用傾向が関係している可能性が示唆された。また、感情調節方略のうち、計画への再焦点化という方略が「食事へのとらわれ」に対して負の方向に寄与していた。以上より、女性スポーツ競技者の食行動異常を促進させる感情調節方略に加え、食行動異常を抑制させる感情調節方略についての知見が得られた。