日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育心理学(偶数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 11:00 〜 12:00 RY205 (良心館2階RY205番教室)

[03心-ポ-72] 直線狭路における自転車走行中の頭部動作と眼球運動の相互相関

*小嶋 岳1、長 雄希1、國部 雅大2 (1. 筑波大学大学院、2. 筑波大学)


人が環境内を移動するとき、視野を安定させるための眼球反射が発生する。眼球反射としては、OKR(optokinetic response, 視機性眼球反応)とVOR(vestibulo-ocular reflex, 前庭動眼反射)が挙げられる。OKRは網膜上の像のブレにより像を追従するような眼球運動が誘発され、VORは頭部の動きにより頭部と逆方向に眼球運動が誘発される。先行研究では、直線狭路における自転車走行中にOKRの発生が報告されている。しかし、同研究では頭部動作の影響を考慮していないため、VORとOKRは区別されていない。そこで本研究では、頭部動作および眼球運動を測定することで自転車走行中に発生するVORとOKRを区別することを目的とした。参加者(19名の成人)が、一般的なシティサイクル(タイヤ径27インチ)に乗車し、板上(幅12cm、長さ30m、高さ13mm)をなるべく逸脱しないように3回走行した。ヘルメットに装着したモーションセンサーのピッチ方向を頭部動作、グラス型眼球運動測定装置の上下方向を眼球運動として分析した。取得した頭部動作および眼球運動データの位相ずれ0における相互相関係数(r)を算出した。-1≦r≦-0.3を負の相互相関、-0.3<r<0.3を無相関、0.3≦r≦1を正の相互相関とした。分析の結果、19名中13名は正の相互相関係数を示し、頭部の振幅は眼球の振幅よりも小さいものの、頭部と眼球が同じ方向に連動して動いていることが確認された。また、3名は負の相互相関係数を示し、頭部と眼球が逆方向に動いていることが確認された。さらに、3名は無相関を示す試行が含まれた。以上のことから、直線狭路における自転車走行では頭部と眼球が逆方向に動くVORよりもOKRが主に発生している可能性が示された。また、OKRと同方向に頭部が動いていることが示唆された。