日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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バイオメカニクス/ポスター発表

2023年9月1日(金) 13:30 〜 14:30 RY205 (良心館2階RY205番教室)

[05バ-ポ-21] 連続的な運動課題による筋力低下時の下腿筋群及びアキレス腱の活動動態

*田中 重陽1、横沢 翔平2、畑島 一翔3、平塚 和也4 (1. 国士舘大学、2. 平成国際大学、3. 国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科、4. 立命館大学)


Muscle Contraction Sensor(MCセンサー)法は、特定部位の皮膚表面に凸状のチップを取り付けたセンサーを貼付することで、筋収縮によって変形した筋や腱の形状変化量を同時に計測することが可能である。これまでに膝関節伸展筋群や下腿筋群の形状変化量と筋力との関係について検討した結果、MCセンサー法により計測した形状変化量は、筋力レベルを反映する指標となることを明らかにした。しかしながら、運動に関与する筋群及び腱の形状変化量が、連続的な運動によってどのように変化するのかについては明らかにされていない。本研究では、連続的な運動課題による筋力低下時の下腿筋群及びアキレス腱の活動動態を、MCセンサー法で評価した。被験者は健康な成人男性とした。等尺性による最大底屈筋力は総合筋力測定装置(Biodex System Ⅳ)を用いて、足関節角度90度で測定した。その後、連続的な運動課題として、5秒間の最大努力での等尺性による底屈筋力発揮を3秒間の休息を挟んで50回行わせた。腓腹筋内側頭、外側頭、前脛骨筋及びアキレス腱の形状変化量は、MCセンサー法で計測した。底屈筋力、下腿筋群及びアキレス腱の形状変化量は、運動開始時と運動終了時のそれぞれ5回の平均値を求めた。また、最大底屈筋力に対する運動終了時の低下率を算出した。その結果、連続的な運動課題によって運動終了時の底屈筋力は有意に低い値を示した。また、下腿筋群とアキレス腱の形状変化量についても、運動開始時に対して運動終了時は有意に低い値を示した。最大底屈筋力発揮時に対する運動終了時の低下率は、底屈筋力が約34%、下腿筋群及びアキレス腱の形状変化量が約62%~70%であり、筋力と下腿筋群及びアキレス腱の形状変化量の低下の度合いは必ずしも一致しないことが明らかとなった。