日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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運動生理学(奇数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 10:00 〜 11:00 RY207 (良心館2階RY207番教室)

[04生-ポ-25] 月経周期が女子陸上競技選手のコンディションおよび走・跳パフォーマンスに及ぼす影響

*宮口 愛子1、池上 和2,3、山田 満月1,3、石川 明良1、市川 季穂1、北島 彩音1、中山 真羽1、平松 樹亜1、鰐渕 めぐみ1、須永 美歌子1 (1. 日本体育大学、2. 早稲田大学、3. 日本学術振興会特別研究員)


【背景】 女性は月経周期に伴う性ホルモン濃度の変動によってコンディションに変化が生じる。コンディションの変化は、質問紙や唾液コルチゾールを測定することによって数量化し、主観的および客観的に評価することができる。主観的コンディションは月経期および黄体期に低下すること(須永,2017)や唾液コルチゾールは月経期に高値を示すことが報告されている(岩田ら,2012)が、これらが走・跳パフォーマンスに影響を及ぼすかについては明らかになっていない。 【目的】 女子陸上競技跳躍選手において月経周期がコンディションおよび走・跳パフォーマンスに及ぼす影響を検討した。 【方法】 正常月経周期を有する女子陸上競技跳躍選手7名(年齢20±1.0歳、BMI 21.2±2.3kg/m2、月経周期27.6±4.0日)を対象とした。対象者は、月経中(出血期間)、月経後(月経終了日から7日以内)、月経前(月経開始7日前から月経開始前日)に測定に参加した。測定項目は、唾液コルチゾール、月経関連症状(The Menstrual Distress Questionnaire: MDQ)、パフォーマンステスト(30m加速走、垂直跳び、立ち五段跳び)とした。MDQは月経周期に伴う身体的・精神的変化に関する46項目の質問を 5 段階で評価し、8 つの下位尺度(痛み、水分貯留、自律神経、負の感情、集中力、行動変化、気分の高揚、コントロール)に分類することで症状の程度を評価した。 【結果】 MDQの自律神経スコアは、月経前に比べて月経中に有意に高値を示した(p<0.05)。唾液コルチゾールおよびパフォーマンステストは、フェーズ間に有意な差は認められなかった。 【結論】 女子陸上競技跳躍選手において、月経前に比べて月経中に自律神経に関する主観的コンディションが低下するが、走・跳パフォーマンスには影響を及ぼさない可能性が示唆された。