日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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保健/ポスター発表

2023年9月1日(金) 13:00 〜 14:00 RY207 (良心館2階RY207番教室)

[10保-ポ-01] 幼児期の腸内細菌叢に関する研究

*高橋 珠実1 (1. 東洋大学)


【背景・目的】健康に大きく関わることで近年注目されている腸内細菌叢に関する研究は成人を対象に行われているものが多く、子どもを対象とした研究は数少ない。特に幼児期の腸内細菌叢に関する研究はまだこれからの分野であることから、本研究は幼児の腸内細菌叢の組成の解析を行い、その特徴や多様性、腸内細菌叢とからだの健康との関連を検討していくことを目的とした。
【方法】今回の研究対象者は山間部の園児(S群)20名、山間部と都市部の中間地域の園児(T群)24名とした。調査・検査項目は、生活習慣調査、からだの健康調査、および腸内細菌叢検査とした。生活習慣等調査は、独自に作成したものを用い、睡眠習慣、食事習慣、運動習慣等の基本的な生活習慣等の調査を行った。腸内細菌叢検査では、保護者に協力を依頼して収集し、16S rRNAメタゲノム解析をゲノムリード株式会社に委託した。
【結果・考察】属レベルBacteroides、Bifidobacterium、Prevotellaの結果から、BacteroidesとBifidobacteriumを多く保有することを特徴とするBBタイプとPrevotellaを多く保有する特徴を持つPタイプとに分けてみると、全体では84.1%(37/44名)がBBタイプ、15.9%(7/44名)がPタイプであった。一般的に高脂肪の現代食とともにヒトの腸内細菌叢のタイプはPからBBタイプに移行するとされているが、今回の結果は先行研究の結果よりも高い割合でPタイプの子どもが確認された。2群間の比較においては、S群とT群の門および属レベルの占有率で有意差がみられた菌種が確認され、多様性においてもS群とT群の間に有意差が認められた。また、からだの健康調査の合計点と門レベルの占有率との間に関連がみられたことから、さらなる検討の必要性が考えられた。