日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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測定評価(奇数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 12:50 〜 13:20 RY208 (良心館2階RY208番教室)

[08測-ポ-09] 身体活動評価における個人の生活習慣に起因する留意点

*坂井 智明1 (1. 名古屋学院大学)


【背景】身体活動を客観的に評価する際に活動量計が用いられる。活動量計を装着する際には「朝起きてから夜寝るまで、入浴を除いた時間装着する」ように指示されることがあるが、覚醒時間と活動量計の装着時間の差がどの程度なのか明らかでない。そこで本研究では、覚醒時の活動量計装着状況を明らかにし、身体活動量の評価に与える影響について検討した。【方法】対象者は、男性32名女性56名計88名(年齢74.4±5.2歳)であった。対象者には、連続する7日間、Polar社製M430は24時間/日、ActiGraph社製活動量計wGT3X-BTを朝起きてから夜寝るまで装着するように依頼した。起床時刻と就寝時刻はM430、歩数と3軸方向のベクトルの大きさの和をwGT3X-BTにて計測し、活動強度毎の時間を評価した。週末を含めた連続する7日間のデータを収集し、1日10時間以上の装着されていない、起床時刻、就寝時刻が確認できない日は分析から除外し、3日以上分析するデータがある対象者を最終的な分析対象とした。【結果】最終的な分析対象は88名、582日であった。1日の歩数は6850.5 ±3822.5歩、低強度活動時間905.0±147.5分、中高強度活動時間39.0±35.4分であった。起床時刻は午前6時9分、就寝時刻は22時58分、活動量計の装着時刻は6時31分、取り外し時刻は21時41分であった。活動量計装着時間(909±108分)が覚醒時間(1003±92分)に比べて有意に短く、特に活動量計を取り外してから就寝までの時間が76分あった。一部の対象者では、活動量計が夜間にも作動しており、就寝中の活動量計の装着がうかがえた。【結論】活動量計の1日の装着時間と覚醒時間が異なることから、特に早朝深夜にみられやすい低強度活動時間を過小評価する可能性に留意する必要があった。