日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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測定評価(奇数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 12:50 〜 13:20 RY208 (良心館2階RY208番教室)

[08測-ポ-13] 地域在宅高齢者における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する恐怖感に関連する生活習慣、身体・認知機能関連要因

*山田 孝禎1、山次 俊介1、杉浦 宏季2 (1. 福井大学、2. 福井工業大学)


COVID-19対策を強いられた数年間は、世代問わず多くの人々の日常生活において、制限や変化を受け入れざるを得なかった。特に重症化リスクが高い高齢者においては、COVID-19に対する恐怖感から、制限や変化が大きく強かったと推測される。本研究の目的は、地域在宅高齢者におけるCOVID-19に対する恐怖感に関連する生活習慣、身体・認知機能関連要因を検討することであった。地域在宅高齢男性36名(77.6±6.3歳)および女性85名(76.2±5.9歳)が、新型コロナウイスル恐怖尺度(FCV-19S)、Life-Space Assessment、易転倒性尺度、ADL、Montreal Cognitive Assessmentおよび生活状況と心身の状態に関する項目(コロナ禍前後の身体活動量の変化、人との会話、孤独感、疲労感、興味・関心への薄れ、体重減、タンパク質摂取状況、活動頻度、日常生活に支障をきたすような疾病・不具合の有無)に回答した後、握力、等尺性膝関節伸展最大筋力、開眼片脚立ち時間、ファンクショナルリーチおよび10m歩行速度の測定に参加した。FCV-19Sを従属変数、その他の測定項目を独立変数としたステップワイズ法による重回帰分析を行った。なお、統計的仮説検定の有意水準は5%とした。本研究に参加した地域在宅高齢者のFCV-19S得点は、20.6±5.1点(最高32点、最低9点)で、56名(46.3%)がカットオフを上回った。重回帰分析の結果、孤独感および年齢の2変数が、FCV-19Sの有意な予測変数として選択され、それ以外の項目は除外された(R = 0.495)。以上から、地域在宅高齢者のCOVID-19に対する恐怖感は非常に高く、ほぼ半数で日常生活に支障をきたすレベルにあった。COVID-19に対する恐怖感には、孤独感と年齢が強く関わっていると示唆された。