日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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測定評価(奇数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 12:50 〜 13:20 RY208 (良心館2階RY208番教室)

[08測-ポ-17] 大学生を対象とした投能力の測定法

スピードガンを用いた測定法の提案

*高橋 憲司1 (1. 日本医科大学)


【背景】投能力の代表的な測定法は、新体力テストのソフトボール投げとハンドボール投げである。日本スポーツ振興センター主催のタレント発掘事業:ジャパン・ライジング・スター・プロジェクトでは、長座位ハンドボール投げを採用している。これらの測定は、4~5名程の測定スタッフが必要であり、広い敷地の確保のため野外測定が多く、雨天時の実施が困難となる。長座位ハンドボール投げは、ボールの大きさが男女で異なり、単純な男女の比較ができない。そこで本研究では、これまでの測定法よりも簡便なスピードガンを用いた投能力の測定法を提案する。【方法】大学生26名(男性16名、女性10名)を対象として、距離法として「ソフトボール投げ(m)」「長座位ハンドボール投げ(m)」と速度法としてスピードガン(YUPITERU 16JYM10000)を用いた「ソフトボール投げ(km/h)」「ハンドボール投げ(km/h)」を実施した。ハンドボールは測定マニュアルに従い男子2号球、女子1号球を用いた。速度法は2mの投球エリアから10m先に設置した体操用ソフトマットに向けてワンステップで投球させ、その際の初速と終速を記録した。統計解析は、各測定法間の関係の検討に、ピアソンの積率相関係数を用いた。【結果】相関係数は、ソフトボール投げでは投球距離と初速は0.94、終速は0.96であり、ハンドボール投げでは、投球距離と初速は0.92、終速は0.93であり、いずれも非常に高い相関関係が確認された。【考察】速度法は、距離法と関係が高いため、代替法としても適切であると判断できる。速度法は、15m×3m程度の空間と1名の測定スタッフ、もしくは被測定者自身でも可能となるため距離法と比べ簡便であり、測定時間も短縮できる。ハンドボール投げは、性別により異なるボールを使用するため、ソフトボールを用いた速度法が男女比較を行う上でも適した測定法である。