日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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測定評価(偶数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 13:20 〜 13:50 RY208 (良心館2階RY208番教室)

[08測-ポ-18] バスケットボール競技中の足部接地部位の動作別特徴

*新井 美優1、永野 康治1、柴田 雅貴1 (1. 日本女子体育大学)


【はじめに、目的】競技中の足部接地方法はパフォーマンスや外傷・障害と関係する可能性を有する。走行時において、一般のランナーは後足部接地が多いが、前足部接地の方が衝撃吸収が優位であると報告されている。一方、バスケットボールなどの走行と競技動作が混在した競技における足部接地の特徴は明らかでない。そこで本研究はバスケットボール選手における競技中の足部接地部位の特徴を明らかにすることを目的とした。
【方法】対象者は大学女子バスケットボール選手4名とした。対象者は加速度センサを体幹上部背面に装着し、バスケットボールの試合を行った。1ピリオド(10分)の加速度データから、合成加速度4G以上となる動作を抽出し、同期したビデオ画像からその際の足部接地部位(前中足部・後足部)、動作(減速・走行・加速・競技特異動作)を判別した。動作ごとの前中足部接地の比率について、χ2検定を用いて比較した。有意水準は0.05とした。
【結果】計測したバスケットボール競技中に合成加速度4G以上の動作が1872件抽出され、頻度は71.0件/分・人であった。前・中足部接地はすべての動作で41.8%(782/1872件)、減速で22.7%(142/626件)、走行で5.8%(25/432件)、加速で69.3%(149/215件)、その他の競技特異動作で77.9%(465/597件)であった。χ2検定の結果、すべての動作間で前・中足部接地の比率に有意な差が認められた(いずれもp<0.001)。対象者別に前中足部接地の割合をみると、平均40.4%[範囲: 24.0-52.9%]であった。
【考察】バスケットボール競技中において、減速・走行動作では後足部接地の頻度が高いが、切り返しや着地などの競技特異動作では前・中足部接地の頻度が高く、接地方法が使い分けられていた。また、その個人差は大きいことが示唆された。