[11教-ポ-01] 体育・スポーツ専攻学生の学習・履修状況調査からみる高等教育機関における学びの実態について
バイオメカニクス科目履修者を対象として
21世紀期の高等教育において、「文理融合」という概念が注目されている。その教育の志向性について文部科学省(2017)が、「分野を超えた専門知の組み合わせが必要とされる時代においては、一般・共通教育において文理横断的なカリキュラムが必要となるとともに、専門教育においても従来の専攻を超えた幅広くかつ深いレベルの教育が求められる」といった指針を示している。このような現状の中で体育・スポーツ系学部では、文系科目を中心に入試を実施しており、理系科目が選択肢としてあっても、その選択率は多くないのが実態である(種子田、2021)。そのため体育・スポーツ系学部学生の多くが文系教育を受けて入学していることが推察される。しかし、体育・スポーツ科学全体を見渡すと理系科目が応用される研究分野の学びが多く位置づけられており、そのような理系科目を受講する学生の学修状況を把握することは体育・スポーツ系学部のカリキュラム構築や高大接続の観点から学修内容を検討するうえで重要な知見となる。そこで本研究では、スポーツ科学の中でも理系科目が応用される「バイオメカニクス」科目履修者を対象として高等学校での学習状況や大学入学後の履修状況を把握し、体育・スポーツ系学生の学修動向を調査することから理系科目の学習内容精査の起点となる情報を得ることを目的とした。対象者は、体育・スポーツ系学部に所属しバイオメカニクス科目(選択科目として)を履修している学生102名とし、高校時の文系、理系の選択状況や大学入学後の履修状況などについてアンケート調査を行った。予備調査の結果では回答した学生のうち、高校時に理系を選択していた学生は全体の約38%と当該科目に対する理解や自身の状況を踏まえて履修している学生が一定数は存在する可能性が示唆された。その他詳細な結果についてはポスターにて発表する。