日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育科教育学/ポスター発表

2023年9月1日(金) 14:45 〜 15:45 RY429 (良心館4階RY429番教室)

[11教-ポ-08] 教員養成大学のダンス指導法授業における現代的なリズムのダンスの検討

学生のダンス指導力向上に視点をあてて

*東久保 愛美1 (1. 日本女子体育大学大学院)


2012年度から中学校の体育においてダンスが男女必修となり、多くの学校で現代的なリズムのダンスが実施されるようになったが、現代的なリズムのダンスの指導に関して「何を教えるのか」という技能に関する情報が少ないことが指摘されている(生関ら2018)。また、学習指導要領に、現代的なリズムのダンスでは、既存の振り付けなどを模倣することに重点があるのではないことが注記されているのにも関らず、実際の授業では「振付ダンスを踊る」という内容を実施している学校が多い(高橋ら2014)。一方、「大学時履修経験の差はダンス観、指導観、指導能力などに影響を与え、指導実践をおこなわせる原動力に成る」(松本ら1994)との報告がある。そこで、本研究では、教員養成大学で、ダンス指導法授業を長年行っている教員がどのようなコンセプトで指導を行っているのか、教員になる学生たちに何をどのように教えているのか整理することで、現代的なリズムのダンス指導において身につけておくべき内容と指導のあり方について検討することを目的とする。ダンスの指導に関して、論文、研究会、教員免許更新等の教員向けの研修等に長年関わっている3名の大学教授・准教授の行う授業を対象として、観察・撮影し、授業内容と指導中の言語を記録し、現代的なリズムのダンスの指導ポイントについて整理を行った。教員養成大学のダンス指導法授業では、中高の教員が陥りがちな指導である既成の振り付けを教え間違えずに正しく踊る力ではなく、学生の表現を引き出すことに重点が置かれていた。学生が指導者になった際、生徒たちの動きや表現を引き出す力を持てるようにと考えられているのではないかと推察できる。また、授業で共通して見られた点として、実際の中高生に対する授業の際には行わないが、教員を目指す学生に対して、なぜこのような指導を行うのかについて理論的に説明をする時間を確保していた。