日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育科教育学/ポスター発表

2023年9月1日(金) 14:45 〜 15:45 RY430 (良心館4階RY430番教室)

[11教-ポ-13] 幼児期の運動あそび・表現あそびの援助における現職保育者の現状課題を探る

養成校での学修方法への展望

*池田(尾畑) 三鈴1 (1. 東京成徳短期大学)


本研究は、コロナ禍以前定期的に実施してきた現職者研修が2023度は対面実施での再開を迎え、コロナ禍を経て改めて保育現場における現状課題を探り、養成校での専門学習としてどのようにフィードバックすべきか展望するための第一歩である。
 2023年度の調査によれば、幼児期の運動あそび・表現あそびの援助における困り事としては、発達支援に関わる内容が増加傾向にあることがわかった。特に本調査で対象分析とした地域では、保育者の年齢構成が20代52.4%、30代26.2%、40代7.1%、50代11.9%、60代2.4%と相対的に若い傾向にあり、各園でのミドル世代の不足と保育者年代の二極化がみられた。この人的環境と調査結果からは、養成校等で必修内容として組み込まれている幼児期の運動発達、運動技能の獲得、社会性の発達、自我やパーソナリティの発達、発達特性を踏まえた援助や支援に関する基礎理論の理解が「やや不足している」という保育者の自覚が過半数を超えており「子どもと向き合い感覚的に実践している」という実態が浮き彫りとなった。また具体的な課題としては、「苦手な子や興味のない子等への対応と全体指導とのバランス」に関する内容が最も多く、続いて「発達理解に応じた活動提案」、「特別な配慮を必要とする子どもへの対応」、「レパートリーやバリエーションの乏しさ」に関する内容が続いた。
 発表では、保育者の年代別の課題傾向を提示すると共に、「子ども主体」や「子どもの声(ボイス)」を捉える援助指導への過渡期にある今、子どもや状況に応じて知識を引き出し、応用、判断し、実践に繋げる力へと結びつける学びの重要性が増してきていることを踏まえ、養成期に必要とされる学修方法について展望する。