日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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アダプテッド・スポーツ科学/ポスター発表

2023年9月1日(金) 14:00 〜 15:00 RY431 (良心館4階RY431番教室)

[13ア-ポ-08] アダプテッド・スポーツ授業及び各競技に対する児童・生徒の印象

*大山 祐太1 (1. 北海道教育大学)


目的:児童・生徒に対してアダプテッド・スポーツ(以下、AS)に関する授業を行い、ASや各競技に対する印象について明らかにし、よりよりAS授業実践に向けた示唆を得る。

方法:小学4年生86名、中学2年生89名に対して競技体験を伴うAS授業を2単位時間連続して行い、授業後に質問紙調査を実施した。調査内容は基本情報(運動・スポーツに対する嗜好、得意・不得意の認識等)、ASに対する印象、各競技の印象とし、印象項目は5件法で回答を得、平均値を算出して基本情報ごとの特徴を確認した。

実践:授業内容は、①障害概念の解説(10分)、②AS概念の解説(10~15分)、③体験競技の紹介・進行方法の確認(10~15分)、④体験(50~60分)とした。体験は、競技の主な対象障害や実施大会等に偏りがないよう、ボッチャ(BC)、アンプティサッカー(AF)、各種車椅子スポーツ、ブラインドサッカー(BF)、フライングディスクの5つのブースを設定し、公式ルールの順守より触れてみる・やってみることを重視して指導した。児童らを5グループに分け、時間ごとにローテートして全員が全競技を体験できるよう進めた。

結果・考察:結果、次のこと等が明らかとなった。1)ASに対する小・中学生の印象を比較したところ、小学生の方が「また授業を受けたい」「体育であるといい」と感じ、中学生の方が「障害者と一緒にできる」と感じていた。2)運動を「得意」と自認する群に比べ、「苦手」群の方がASを「誰とでも楽しめるスポーツ」と捉えていた。3)各競技の印象については、BFは他の競技より「難しい」と捉えられている、BCはさほど「難しい」と認識されない一方で「かっこいい」の評価も低い、AFは小学生の方が「難しい」と感じているなど、競技ごとの違いが確認された。AS授業の展開には、学校段階に応じて各競技の特性を踏まえた体験の設計が重要であることが伺えた。