日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育方法(奇数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 13:00 〜 14:00 RY447 (良心館4階RY447番教室)

[09方-ポ-13] 等尺性下肢伸展力の立ち上がり率とスプリントおよび方向転換能力との関係

*図子 浩太佑1、図子 あまね2 (1. 滋賀大学、2. 国立スポーツ科学センター)


力の立ち上がり率(RFD)は瞬発的な力発揮能力の指標であり、筋収縮様式や関節角度の影響を統制できる等尺性の力発揮における力時間曲線から算出される(IRFD)。その決定要因は力発揮後に時々刻々と変化するため、算出区間が異なるIRFDはそれぞれ異なる力発揮特性を反映すると考えられている。これまで、IRFDはスプリントや方向転換などの瞬発的な運動能力に影響を与えることが示されているが、それらの影響は、IRFDの算出区間やスプリントの距離や方向転換の角度などによって異なることが予測される。そこで本研究では、算出区間の異なる様々なIRFDとスプリントおよび方向転換能力の関係性を検討した。男子大学生14名を対象に、等尺性片脚レッグプレス運動からEarly IRFD(力発揮開始‐約0.1秒)、Late IRFD(約0.1‐0.25秒)、Average IRFD(力発揮開始から力上昇局面終了)と最大筋力を算出した。加えて、30m走(0-10m、10-30m、0-30m区間)、50m走(0-20m、20-50m、0-50m区間)および、2種類の方向転換走(方向転換角度90°、135°)からタイムを算出し、各IRFDとの関係を検討した。その結果、Early IRFD と50m走の0-50m区間および30m走の10-30m区間のタイムとの間にそれぞれ有意な負の相関関係が認められた (r = −0.57, p < 0.05; r = −0.57, p < 0.05)。また、Early IRFDと 30m走の0-30m区間、50m走の0-20m区間および20-50m区間タイムとの間の相関係数は中程度(−0.5 < r ≤−0.3)であった。これらの結果は、各局面のIRFDの中でもEarly IRFD(力の上昇局面前半のIRFD)がスプリント能力に対してより強く影響していることを示唆している。