60th Annual Meeting in Autumn

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臨床(認定医・専門医)ポスター

歯周外科治療

臨床(認定医・専門医)ポスター
歯周外科治療

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

DP-27~DP-36
(ポスター討論:12:00~12:50)

[DP-28] 咬合挙上と自家骨移植が治療ポイントとなった重度慢性歯周炎患者症例

A Case Report of Severe Chronic Periodontitis Patient with Treatment Points of both Bite Raising and Autogenous Bone Graft

中村 心1,井手口 英隆1,佐々木 禎子2,峯柴 淳二3,下江 正幸4,5,山本 直史4,高柴 正悟1/Shin Nakamura1,Hidetaka Ideguchi1,Teiko Sasaki2,Junji Mineshiba3,Masayuki Shimoe4,5,Tadashi Yamamoto4,Shogo Takashiba1 (岡山大学医歯薬学総合研究科歯周病態学分野1,岡山大学病院歯科衛生士室2,はなみずきデンタルクリニック3,岡山大学病院歯周科4,下江歯科医院5/Department of Pathophysiology-Periodontal Science, Okayama Univ.1,Division of Dental Hygienist, Okayama Univ. Hospital2,hanamizuki dental clinic3,Department of Periodontics and Endodontics, Okayama Univ. Hospital4,shimoe dental clinic5)

研修コード:2504

Keywords:重度慢性歯周炎、自家骨移植、咬合挙上、咀嚼力

【はじめに】歯周炎進行に伴い,歯の動揺が増加して病的移動が起こり,咀嚼力は低下する。今回,吸収した歯槽骨を自家骨移植で再生し,移動した動揺歯に対し咬合挙上と固定による口腔機能回復治療を行い,良好に経過している症例を報告する。
【初診】患者:61歳 男性 ガス会社勤務 主訴:重度咀嚼障害 初診:2012年4月
既往歴:高血圧,C型肝炎
喫煙:10本/日,25年間 1年前から禁煙
【診査・検査所見】口腔内所見:全顎的に歯肉の発赤腫脹があり,局所的に排膿があった。多数歯に動揺があり,病的移動していた。
歯周組織検査所見:PCRは100%,PPD 4mm以上の割合は86%,BOP陽性率は92%であった。
X線検査所見:全顎的に水平的骨吸収像があり,45に垂直的骨吸収像があった。全顎的に歯根膜腔の拡大があった。
【診断】広汎型重度慢性歯周炎:二次性咬合性外傷を来たし,咬合高径が低下している。
【治療計画】①歯周基本治療(咬合挙上含む),②歯周外科治療(歯肉剥離掻爬術,自家骨移植による歯周組織再生療法),③口腔機能回復治療,④SPT
【治療経過】感染コントロール後,咬合挙上と暫間被覆冠による連結固定により咬合性外傷を排除した。歯周ポケット残存部位に歯肉剥離掻爬術を行って感染源を除去し,45周囲に自家骨を移植し歯周組織の再生を図った。その後口腔機能回復治療を行い,SPTを継続している。
【考察とまとめ】咬合挙上と歯周補綴治療により,オクルーザルフォースメーター(GM10;長野計器)による咬合力は242 Nとなった。自家骨の移植部位は歯槽骨が再生した。今後,厳密なSPTを継続し歯周状態と口腔機能の長期的な維持を目指す。