60th Annual Meeting in Autumn

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歯科衛生士症例ポスター

モチベーション

歯科衛生士症例ポスター
モチベーション

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

HP-14~HP-19
(ポスター討論:12:00~12:50)

[HP-15] 歯科治療への恐怖心が強い患者に対し口腔衛生指導を行い,行動変容がみられた一例

A case report of phobic patient with periodontitis. Behavior modification after proper oral hygiene instruction

中原 綾香,間瀬 慎一郎,加瀬 保奈美,西山 智絵,池田 千鶴,福田 瑛理香,古屋 早映美,菅原 拓哉,原田 正和/Ayaka Nakahara,Shinichiro Mase,Honami Kase,Chie Nisiyama,Chizuru Ikeda,Erika Fukuda,Saemi Furuya,Takuya Sugawara,Masakazu Harada (医療法人社団 幸陽会 間瀬デンタルクリニック/Iryouhoujinnsyadann kouyoukai mase dental clinic)

研修コード:2504

Keywords:歯科恐怖症、コミュニケーション、歯周基本治療

【はじめに】歯科恐怖症患者においてコミュニケーションを十分にはかり歯周治療を行うなかで,口腔内への関心が高まった結果,行動変容がみられた一症例を報告する。
【初診】患者:55歳女性。初診日:2016年07月08日。主訴:前歯の歯ぐきから出血し痛みがある。20年ぶりの受診。現病歴:関節リウマチ,骨粗鬆症。服薬:ビスフォスフォネート(BP)製剤,抗リウマチ薬。喫煙歴:なし
【診査・検査所見】全顎的に著しい歯肉腫脹,発赤,プラーク,歯石沈着を認め,21, 22自然排膿。PPD4mm以上は55.6%,BOP65.3%,PCR93%。エックス線写真上では全顎的に水平性骨吸収と一部垂直性骨吸収を認めた。
【診断】広汎型中等度慢性歯周炎
【治療計画】1. 検査,診断 2. 歯周基本治療 3. 再評価 4. 口腔機能回復治療 5. 再評価 6. SPT
【治療経過】歯科に対する強い恐怖心により長年治療を避けてきた経過から,治療への不安感の解消とモチベーション向上のため,口腔内写真を用いてTBIを丁寧に行い歯周基本治療を進めた。日常会話を含めたコミュニケーションを大切にし,信頼関係を築くことで,セルフケアにも積極的になった。対診をとり残根抜歯,口腔機能回復治療,SPTへと移行した。
【考察・まとめ】口腔衛生指導を通じて,治療への恐怖心が軽減し,これまで継続治療が行えなかった患者が通院継続するような行変容がおこった。体調不良で通院できないこともあったが,回復後自ら受診予約をするほどとなった。口腔衛生指導は口腔衛生改善に係る行動変容もさることながら,受診行動に対する行動変容まで起こすことができることを実感することができた。