[P-066] マウス実験的歯周炎モデルにおける生薬「鶏血藤」の循環改善効果
Ameliorative effects of Jixueteng on gingival microcirculation in mouse periodontitis model
研修コード:2203
Keywords:歯周病、歯肉微小循環、鶏血藤、ポロフィロモナスジンジバリス
【目的】鶏血藤Jixuetengは,マメ科の蜜花豆の茎から抽出される生理活性物質であり,循環改善,鎮痛ならびに造血作用を有することが知られている。本研究では,鶏血藤抽出液の活性酸素消去作用を検討するとともに,Porphyromonas gingivalis(Pg)接種によるマウス実験的歯周炎モデルを用いて,歯周局所の微小循環構造変化について解析した。
【方法】C57BL/6Nマウス(6週齢 ♂)にPg生菌を口腔内接種し歯周炎を惹起させ,鶏血藤抽出液(8% w/v)は飲料水に混合して投与した。Pg感染終了後から1週ごとに6週間,レーザードップラー血流計を用いて歯肉微小循環動態の解析および口蓋歯肉の血流量を測定した。また,歯周局所の血管鋳型標本および骨格標本を作製し,鶏血藤による歯肉微小循環の改善効果を検討した。
【結果および考察】レーザードップラーでの計測において,Pg感染群では,1週目からPeak,T1/2,Massの値が非感染マウスと比較して顕著に増大していたが,Pg感染 + 鶏血藤投与群では,これらの値はコントロール群と同程度であった。また,Pg感染群では,Pg非感染群と比較して顕著な歯槽骨の吸収が認められ,歯周組織毛細血管網の密度は経時的に減少していた。しかしながら,Pg感染 + 鶏血藤投与群では,Pg非感染群と同程度の歯槽骨吸収量および毛細血管網密度であった。以上の結果から,鶏血藤は歯槽骨吸収を抑制と共に歯肉微小循環を歯周炎の予防と治療に有効な生薬であることが示唆された。
【方法】C57BL/6Nマウス(6週齢 ♂)にPg生菌を口腔内接種し歯周炎を惹起させ,鶏血藤抽出液(8% w/v)は飲料水に混合して投与した。Pg感染終了後から1週ごとに6週間,レーザードップラー血流計を用いて歯肉微小循環動態の解析および口蓋歯肉の血流量を測定した。また,歯周局所の血管鋳型標本および骨格標本を作製し,鶏血藤による歯肉微小循環の改善効果を検討した。
【結果および考察】レーザードップラーでの計測において,Pg感染群では,1週目からPeak,T1/2,Massの値が非感染マウスと比較して顕著に増大していたが,Pg感染 + 鶏血藤投与群では,これらの値はコントロール群と同程度であった。また,Pg感染群では,Pg非感染群と比較して顕著な歯槽骨の吸収が認められ,歯周組織毛細血管網の密度は経時的に減少していた。しかしながら,Pg感染 + 鶏血藤投与群では,Pg非感染群と同程度の歯槽骨吸収量および毛細血管網密度であった。以上の結果から,鶏血藤は歯槽骨吸収を抑制と共に歯肉微小循環を歯周炎の予防と治療に有効な生薬であることが示唆された。