粉体粉末冶金協会2021年度秋季大会(第128回講演大会)

出展社情報

[E-1] 電子トラップ研究コンソーシアム

電子トラップ研究コンソーシアム

【Zoom対応日時】
11月9日(火)~11日(木)のいずれも9:00~12:00
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よく知られているように分子状の有機化合物は,それを「同定(identification)」しないかぎり材料として利用したり報告することはできません.おそらくこれは,同定しないで報告,使用されたために混乱が生じた過去があったためと容易に想像できます.しかし,粉体材料などの無機固体化合物を同定することは求められていません.国際純粋応用化学連合(IUPAC)による無機固体化合物の命名法でも,微細な構造を反映した名称をつけることは困難であることがしめされており,構造を一義的に決定できる名称をつけることができない,すなわち,無機固体化合物は同定できないこととなっています.材料科学の分野では,ある「あきらめ」があります.いわく,おなじレシピで調製してもちがった性能や特性になることや,おなじメーカーのおなじコード名(場合によってはおなじロット)のものなのにおなじ結果がえられないことなどです.「調製者の『腕』がわるい」とか「おなじ製造法でもなにか条件がちがっていた」と考えるのがふつうですが,それは,おなじレシピ(製造法)でつくっても,検出できない「ちがい」が存在すると認識しているという意味です.それにもかかわらず,その「ちがい」の検出が試みられることはなく,従来法の測定をくりかえしているのが現状です.おそらく企業における粉体の品質管理でも同様であると思われます.ではなぜ,粉体は同定できないのでしょうか.それは,従来の分析手法が,結晶型などの固体バルクの構造と粒径分布などに限られており,表面構造を巨視的(マクロスコピック)に測定する手法がなかったことがひとつの原因です.われわれは,表面マクロ分析となる可能性がある金属酸化物などの電子トラップ密度エネルギー分布(energy-resolved distribution of electron traps=ERDT)解析とそれを可能にする逆二重励起光音響分光法(reversed double-beam photoacoustic sepctroscopy=RDB-PAS)を開発しました.得られるERDT/CBB(conduction-band bottom)パターンをつかうと,ほとんどの金属酸化物や窒化炭素などの無機固体材料の同定が可能となります.すなわち,ERDT/CBBパターンがおなじであれば,おなじ(identical)であり,あらゆる特性,性能あるいは活性が一致します.一方,なんらかの特性,性能あるいはがすこしでも異なれば(ERDT/CBBパターンが得られる場合には)かならずパターンにちがいが生じます.これを利用すると高度な品質管理や材料開発が可能になります.装置は大学,研究所あるいは企業のみなさまに開放しております.積極的にご利用ください.

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