[P-YB-18-3] ストレッチポールの実施状況について
JCCA会員に対するアンケート調査を通して
Keywords:ストレッチポール, アンケート, JCCA
【はじめに,目的】
ストレッチポール(以下:SP)によるコアコンディショニングは,スポーツ現場・フィットネスジム・医療施設にまで発展している。しかし,SPエクササイズの効果でevidenceとしての報告は少なく,対象や適応疾患,実施場所等統一されていないのが現状である。
そこで今回,ストレッチポールの実施状況の把握を目的にアンケート調査を実施した。
【方法】
日本コアコンディショニング協会(以下:JCCA)会員3200名に対し,Googleフォームを使用しURLを配信し,アンケート調査を行った。調査期間は平成27年10月28日~11月1日とした。調査内容はJCCA会員の保有資格・職場,SPを使用する対象者の年齢層,SP指導の目的,指導エクササイズ・使用するSPの種類,SP指導時に使用する場所・床面の環境,床面で考慮する点とした。
【結果】
配信3200名中,315名より回答を得られた(回収率9.8%)。回答が得られたJCCA会員は健康運動指導士/健康運動実践指導者の割合が27.2%と最も多く,理学療法士は12.9%であった。職場はフィットネスクラブが33.9%と最も多く,次いで治療院が21.8%,訪問指導・自宅が21.1%であった。SP指導は中高年者への実施が83.4%と最も多く,社会人69.5%,高校生28.9%であった。指導目的として脊柱リアライメントが82.2%,インナーマッスル活性化が60.7%,胸郭拡張機能改善が59.4%であった。内容はベーシックセブンが96.5%と最も多かった。SPの種類はMX(柔らかめ)が70.4%,ハーフカット62.3%,EX(硬め)62.3%であった。指導場所はソフトマット上37.7%,体育館27.5%であり,グラウンド上2.5%,ベッド上15.2%であった。床面の環境は,素材の硬い平面が71.3%,素材の柔らかい平面35.3%であり,考慮する点で最も多かったのは安全性・リスク管理で75.8%,次いでストレッチポールの安定性59.5%,転がりやすさ28%であった。
【結論】
SPが使用されている場面として最も多かったのがフィットネスクラブで,その他治療院や自宅など場所を問わず使用されていることが示唆された。また,JCCA会員がSP指導を行う対象者は成年者が多く,特に中高年者に多い。このことや指導目的から,健康増進や傷害予防などさまざまな側面で使用していることが予測された。SPの素材に関しては,対象者と比べ大きな差がなく,高齢者に対しては柔らかめの物を使用する等の配慮をしているかは不明であった。使用する場所や床面の環境に関しては,リスク管理下で安定性や転がりやすさを考慮した上で素材の硬い平面で実施していることが示唆された。今回の結果より,病院やスポーツ現場での使用に比べフィットネスクラブや自宅での使用が多い傾向が示され,自宅指導等の1つとしてSP指導が有用である可能性がある。今後は,対象者による効果の違いや適応疾患の有無,実施場所や床面の環境による効果を検証していく必要があると考える。
ストレッチポール(以下:SP)によるコアコンディショニングは,スポーツ現場・フィットネスジム・医療施設にまで発展している。しかし,SPエクササイズの効果でevidenceとしての報告は少なく,対象や適応疾患,実施場所等統一されていないのが現状である。
そこで今回,ストレッチポールの実施状況の把握を目的にアンケート調査を実施した。
【方法】
日本コアコンディショニング協会(以下:JCCA)会員3200名に対し,Googleフォームを使用しURLを配信し,アンケート調査を行った。調査期間は平成27年10月28日~11月1日とした。調査内容はJCCA会員の保有資格・職場,SPを使用する対象者の年齢層,SP指導の目的,指導エクササイズ・使用するSPの種類,SP指導時に使用する場所・床面の環境,床面で考慮する点とした。
【結果】
配信3200名中,315名より回答を得られた(回収率9.8%)。回答が得られたJCCA会員は健康運動指導士/健康運動実践指導者の割合が27.2%と最も多く,理学療法士は12.9%であった。職場はフィットネスクラブが33.9%と最も多く,次いで治療院が21.8%,訪問指導・自宅が21.1%であった。SP指導は中高年者への実施が83.4%と最も多く,社会人69.5%,高校生28.9%であった。指導目的として脊柱リアライメントが82.2%,インナーマッスル活性化が60.7%,胸郭拡張機能改善が59.4%であった。内容はベーシックセブンが96.5%と最も多かった。SPの種類はMX(柔らかめ)が70.4%,ハーフカット62.3%,EX(硬め)62.3%であった。指導場所はソフトマット上37.7%,体育館27.5%であり,グラウンド上2.5%,ベッド上15.2%であった。床面の環境は,素材の硬い平面が71.3%,素材の柔らかい平面35.3%であり,考慮する点で最も多かったのは安全性・リスク管理で75.8%,次いでストレッチポールの安定性59.5%,転がりやすさ28%であった。
【結論】
SPが使用されている場面として最も多かったのがフィットネスクラブで,その他治療院や自宅など場所を問わず使用されていることが示唆された。また,JCCA会員がSP指導を行う対象者は成年者が多く,特に中高年者に多い。このことや指導目的から,健康増進や傷害予防などさまざまな側面で使用していることが予測された。SPの素材に関しては,対象者と比べ大きな差がなく,高齢者に対しては柔らかめの物を使用する等の配慮をしているかは不明であった。使用する場所や床面の環境に関しては,リスク管理下で安定性や転がりやすさを考慮した上で素材の硬い平面で実施していることが示唆された。今回の結果より,病院やスポーツ現場での使用に比べフィットネスクラブや自宅での使用が多い傾向が示され,自宅指導等の1つとしてSP指導が有用である可能性がある。今後は,対象者による効果の違いや適応疾患の有無,実施場所や床面の環境による効果を検証していく必要があると考える。