[P-TK-18-2] 地域包括支援センターへリハビリ専門職に対するアンケート調査をして見えた現状課題について
Keywords:アンケート調査, 介護予防, 地域包括支援センター
【はじめに,目的】
新総合事業では,リハビリテーション専門職等(以下;リハビリ専門職)を活かした自立支援に資する取組を推進するため,地域包括支援センター(以下;地域包括)と連携しながら,バランスよく支援することにより,介護予防の機能強化を図れることが,市町村介護予防強化推進事業や先行事例等から明らかになっている。
そこで,地域包括において介護予防担当として従事している保健師その他介護予防支援に関する知識を有する担当職員に対し,現段階でのリハビリ専門職に対する知識程度と活用程度とを調査し現状課題を明らかする目的でアンケート調査を行ったので報告する。
【方法】
対象はK区にある全地域包括15ヵ所で介護予防担当として従事している職員15名に対して郵送調査を行った。郵送はK区の健康福祉部介護予防・日常生活支援担当課で行った。
配布期間はH27.8月~H27.9月であり,質問紙法を用いた。アンケート項目は基本属性の他に,訪問リハや通所リハ,介護予防やADL,運動器リハビリや脳血管リハビリ等に関してリハビリ知識程度とリハビリ活用程度を調査した。アンケート方法として単一回答法を用いて,評定尺度は4段階(十分/標準的/最低限度/ない)のうち,知識と活用にそれぞれ分けて実施した。
【結果】
対象者15名に対し15名全員から回答を得た。訪問リハビリについての知識は,「十分にある」1名,「標準的にある」11名,「最低限度ある」は3名に対し,活用は「十分にしている」0名,「標準的にしている」8名,「最低限度している」6名であった。
通所リハビリについての知識は,「十分にある」3名,「標準的にある」9名,「最低限度ある」は3名に対し,活用は「十分にしている」2名,「標準的にしている」7名,「最低限度している」6名であった。
リハビリ専門職全般において,知識は「標準的にある」は10名であるが,活用は「標準的にしている」が3名であった。リハビリ専門職がADLへの関与は,知識は「標準的にある」は9名であるが,活用は「標準的にしている」が5名であった。介護予防への関与は,知識は「標準的にある」は12名あるが,活用は「標準的にしている」が6名であった。
【結論】
本研究において,介護予防を担当している地域包括職員は,全体の傾向としてリハビリに対する知識はあるが活用にまでは反映出来ていない現状が明らかとなった。知識と活用との差で大きな相違が明らかとなったのが,介護予防に対する設問であった。新総合事業で位置付けられている「地域リハビリテーション活動支援事業」において,“リハビリ専門職を活かした自立支援に資する取組を推進する”とはあるが,実際にはまだ不十分な現状が明らかとなった。
今後の課題として,各地域に求められるリハビリ専門職を輩出するため,人材づくり・環境づくり・地域チームづくりを成熟させるための,リハビリマネジメントができる人材が求められてくるのではないかと考える。
新総合事業では,リハビリテーション専門職等(以下;リハビリ専門職)を活かした自立支援に資する取組を推進するため,地域包括支援センター(以下;地域包括)と連携しながら,バランスよく支援することにより,介護予防の機能強化を図れることが,市町村介護予防強化推進事業や先行事例等から明らかになっている。
そこで,地域包括において介護予防担当として従事している保健師その他介護予防支援に関する知識を有する担当職員に対し,現段階でのリハビリ専門職に対する知識程度と活用程度とを調査し現状課題を明らかする目的でアンケート調査を行ったので報告する。
【方法】
対象はK区にある全地域包括15ヵ所で介護予防担当として従事している職員15名に対して郵送調査を行った。郵送はK区の健康福祉部介護予防・日常生活支援担当課で行った。
配布期間はH27.8月~H27.9月であり,質問紙法を用いた。アンケート項目は基本属性の他に,訪問リハや通所リハ,介護予防やADL,運動器リハビリや脳血管リハビリ等に関してリハビリ知識程度とリハビリ活用程度を調査した。アンケート方法として単一回答法を用いて,評定尺度は4段階(十分/標準的/最低限度/ない)のうち,知識と活用にそれぞれ分けて実施した。
【結果】
対象者15名に対し15名全員から回答を得た。訪問リハビリについての知識は,「十分にある」1名,「標準的にある」11名,「最低限度ある」は3名に対し,活用は「十分にしている」0名,「標準的にしている」8名,「最低限度している」6名であった。
通所リハビリについての知識は,「十分にある」3名,「標準的にある」9名,「最低限度ある」は3名に対し,活用は「十分にしている」2名,「標準的にしている」7名,「最低限度している」6名であった。
リハビリ専門職全般において,知識は「標準的にある」は10名であるが,活用は「標準的にしている」が3名であった。リハビリ専門職がADLへの関与は,知識は「標準的にある」は9名であるが,活用は「標準的にしている」が5名であった。介護予防への関与は,知識は「標準的にある」は12名あるが,活用は「標準的にしている」が6名であった。
【結論】
本研究において,介護予防を担当している地域包括職員は,全体の傾向としてリハビリに対する知識はあるが活用にまでは反映出来ていない現状が明らかとなった。知識と活用との差で大きな相違が明らかとなったのが,介護予防に対する設問であった。新総合事業で位置付けられている「地域リハビリテーション活動支援事業」において,“リハビリ専門職を活かした自立支援に資する取組を推進する”とはあるが,実際にはまだ不十分な現状が明らかとなった。
今後の課題として,各地域に求められるリハビリ専門職を輩出するため,人材づくり・環境づくり・地域チームづくりを成熟させるための,リハビリマネジメントができる人材が求められてくるのではないかと考える。