The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本地域理学療法学会 » ポスター発表

[P-TK-18] ポスター(地域)P18

Sat. May 13, 2017 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本地域理学療法学会

[P-TK-18-3] 理学療法士における地域包括ケアシステムの認知度および理解度

南澤 拓美1, 加藤 仁志1, 鳥海 亮1, 入山 渉2 (1.群馬パース大学, 2.慶友整形外科病院)

Keywords:地域包括ケアシステム, 認知度, 理解度

【はじめに,目的】

地域包括ケアシステムは,重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう,住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステムである。日本理学療法士協会では,地域包括ケアシステムに関わることのできる人材の育成を始めており,地域包括ケア・介護予防の2つの推進リーダーの認証コースを設定している。地域包括ケアシステムに関わるためにはそのシステムの理解が重要であると考えられる。同一法人に所属する医師,看護師,理学療法士などを対象に質問紙を用いて地域包括ケアシステムの理解の有無を調査している先行研究(三宅ら,2015)があるが,理学療法士のみを対象とした地域包括ケアシステムについての認知度および理解度を明らかにしている研究は見当たらない。そこで,本研究は理学療法士における地域包括ケアシステムの認知度および理解度を明らかにすることを目的とした。

【方法】

対象者はA県B市の病院・施設に所属している理学療法士255名であった。地域包括ケアシステムの認知度や理解度に関するアンケートを郵送にて送付した。アンケート内容は,Q1『地域包括ケアシステム(以下,システム)を知っているか』,Q2『システムは市区町村が主体となって行っているということを知っているか』,Q3『システムの5つの構成要素を知っているか』,Q4『システムにおける理学療法士の役割を知っているか』,Q5『地域包括ケア推進リーダーという役割があることを知っているか』,Q6『システム推進のための啓蒙活動が行われていることを知っているか』,Q7『システム推進のための啓蒙活動の資料をみたことはあるか』,Q8『「地域医療構想策定ガイドライン」があることを知っているか』,Q9『8でYesと答えた方で,ガイドラインを読んだことはあるか』,Q10『「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」と言われている「医療介護総合確保推進法」という法律があることを知っているか』,Q11『「地域医療介護総合確保基金」という制度があり,その中の事業には「介護予防の推進に資するOT,PT,STの育成」のために資金が使えることを知っているか』,Q12『「医療介護総合確保推進法」において4つの医療機能に分けて,2025年の需要と必要病床量を推計しているが,4つの医療機能とは何か知っているか』の12項目であった。

【結果】

回収できたアンケートは112名分(回収率43.9%)であった。Q1はYesが94.6%,Q2はYesが88.4%,Q3はYesが43.8%,Q4はYesが69.6%,Q5はYesが75.9%,Q6はYesが68.8%,Q7はYesが44.6%,Q8はYesが36.6%,Q9は13.4%,Q10はYesが17.9%,Q11はYesが13.4%,Q12はYesが13.4%であった。

【結論】

本研究の結果より,地域包括ケアシステムの認知度は高いが,内容の理解度は比較的低いことが明らかとなった。