[O-005] 家族が被介護者のADL能力を評価するSelf Assessment Burden Scale-Motorを生活期において評価した場合の妥当性の検討
Keywords:ADL評価、家族、生活期
【はじめに、目的】
生活期において,被介護者の日常生活活動(以下,ADL)能力が低下した場合,リハビリテーション(以下,リハ)の早期介入によりADL能力を向上させることが期待されている.そのためには,家族や介護士からの情報を活用して,リハの早期介入に結びつける必要がある.Self Assessment Burden Scale-Motor(以下,SAB-M)は,家族が被介護者のADL能力を介護必要度から定量的にスクリーニング評価可能である.7項目(食事,清拭,下衣更衣,移乗、移動,階段,排尿管理)7段階の評価尺度であり,Functional Independence Measure-Motor(以下,FIM-M)を用いて基準関連妥当性が確認されている(兼田,2013).しかし,これまでの研究は,回復期リハ病院入院中もしくは退院1ヶ月時の脳血管障害患者と家族を対象としたものであった.
本研究の目的は,脳血管障害以外の疾患も含め,3ヶ月以上継続して在宅生活を送る被介護者および家族を対象に,FIM-Mを外的基準としてSAB-Mの妥当性を検討することである.
【方法】
対象は,筆者が所属する訪問看護ステーションを利用している被介護者および家族とした.被介護者の包含基準は,在宅生活を3ヶ月以上継続している要介護者,家族の包含基準は同居もしくは近隣に住む家族の中で,主介護者役割を3ヶ月以上担っている者とした.家族の除外基準は要介護度1から5の者,または認知症高齢者の日常生活自立度II a以上の者とした.
被介護者に対して,セラピストがFIM-Mを,家族がSAB-Mを用いて評価した.妥当性の検討には,SAB-MとFIM-Mのspearmanの相関およびweighted κを求めた.
【結果】
被介護者29名の年齢は80.3±13.7(46-99歳),男性10名,女性19名であった.主疾患の内訳は,整形疾患8名,脳血管障害8名,内部障害5名,認知症3名,廃用症候群3名,神経難病2名であった.退院後期間は64.9±72.5(6-269ヶ月)であった.家族29名の年齢は67.9±13.0(40-92歳),男性15名,女性14名であった.SAB-M総点とFIM-M総点の相関は0.95であった.各項目の相関は0.77(排尿)-0.95(清拭)であった.weighted κは0.78(排尿)-0.95(清拭)であった.
【結論】 様々な疾患を含めて,3ヶ月以上継続して在宅生活を送る対象で検討した結果,家族が評価したSAB-Mとセラピストが評価したFIM-Mには高い以上の相関および高いから極めて高い一致度が確認でき,基準関連妥当性が認められた.最小サンプル数での検討ではあるが,生活期において家族がSAB-Mを用いることで被介護者のADL能力をスクリーニングできると考える.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は,大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科研究倫理委員会の承認(受付番号2017‐201)を得て実施した.倫理的配慮として,被介護者と家族に対し,口頭および書面により本研究の趣旨を説明した.研究の参加は自由意志にて行われ,同意撤回書記載による研究協力中止も可能である旨を説明した.個人情報は匿名化され,プライバシーが厳重に守られることを記載し,同意が得られた者を対象とした.
生活期において,被介護者の日常生活活動(以下,ADL)能力が低下した場合,リハビリテーション(以下,リハ)の早期介入によりADL能力を向上させることが期待されている.そのためには,家族や介護士からの情報を活用して,リハの早期介入に結びつける必要がある.Self Assessment Burden Scale-Motor(以下,SAB-M)は,家族が被介護者のADL能力を介護必要度から定量的にスクリーニング評価可能である.7項目(食事,清拭,下衣更衣,移乗、移動,階段,排尿管理)7段階の評価尺度であり,Functional Independence Measure-Motor(以下,FIM-M)を用いて基準関連妥当性が確認されている(兼田,2013).しかし,これまでの研究は,回復期リハ病院入院中もしくは退院1ヶ月時の脳血管障害患者と家族を対象としたものであった.
本研究の目的は,脳血管障害以外の疾患も含め,3ヶ月以上継続して在宅生活を送る被介護者および家族を対象に,FIM-Mを外的基準としてSAB-Mの妥当性を検討することである.
【方法】
対象は,筆者が所属する訪問看護ステーションを利用している被介護者および家族とした.被介護者の包含基準は,在宅生活を3ヶ月以上継続している要介護者,家族の包含基準は同居もしくは近隣に住む家族の中で,主介護者役割を3ヶ月以上担っている者とした.家族の除外基準は要介護度1から5の者,または認知症高齢者の日常生活自立度II a以上の者とした.
被介護者に対して,セラピストがFIM-Mを,家族がSAB-Mを用いて評価した.妥当性の検討には,SAB-MとFIM-Mのspearmanの相関およびweighted κを求めた.
【結果】
被介護者29名の年齢は80.3±13.7(46-99歳),男性10名,女性19名であった.主疾患の内訳は,整形疾患8名,脳血管障害8名,内部障害5名,認知症3名,廃用症候群3名,神経難病2名であった.退院後期間は64.9±72.5(6-269ヶ月)であった.家族29名の年齢は67.9±13.0(40-92歳),男性15名,女性14名であった.SAB-M総点とFIM-M総点の相関は0.95であった.各項目の相関は0.77(排尿)-0.95(清拭)であった.weighted κは0.78(排尿)-0.95(清拭)であった.
【結論】 様々な疾患を含めて,3ヶ月以上継続して在宅生活を送る対象で検討した結果,家族が評価したSAB-Mとセラピストが評価したFIM-Mには高い以上の相関および高いから極めて高い一致度が確認でき,基準関連妥当性が認められた.最小サンプル数での検討ではあるが,生活期において家族がSAB-Mを用いることで被介護者のADL能力をスクリーニングできると考える.
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究は,大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科研究倫理委員会の承認(受付番号2017‐201)を得て実施した.倫理的配慮として,被介護者と家族に対し,口頭および書面により本研究の趣旨を説明した.研究の参加は自由意志にて行われ,同意撤回書記載による研究協力中止も可能である旨を説明した.個人情報は匿名化され,プライバシーが厳重に守られることを記載し,同意が得られた者を対象とした.