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[3A-05] デザインにおける「人間中心」概念を環境倫理の視点から再考する
「小田原みかん農園再生プロジェクト」から生まれた「みかん米粉どら焼き」のデザインプロセスを事例として
キーワード:Human-Centered Design, Environmental Ethics, Community Support/Ecological Products
本研究の目的は、デザインにおける「人間中心」概念を環境倫理の視点から再考することである。具体的には、小田原みかん農園再生プロジェクトによる「みかん米粉どら焼き」を事例としてデザインプロセスのアクションリサーチを実施した。エコロジカルな地域支援商品「みかん米粉どら焼き」の誕生によって「みかん」とシニアとの間の従来からの「精神的かかかわり」と「社会的かかわり」に加えて「経済的かかわり」が生まれた。売り上げの一部がシニアによるみかん農園再生活動に還元され、シニアの居場所づくりと耕作放棄地の解消に繋がる。デザインにおける「人間中心」概念が捉えようとしてきたユーザーと製品やサービスとのより良い関係性を「人間」と「人間以外」の存在としての動植物、自然環境、生態系とのより良い関係性を捉えようとしてきた環境倫理の視点から再考し、両者を接続することによって「人間」と「人間以外」の存在を共に生かし合うような「中心なきデザイン」の地平に立つことができるのではないか。