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[6A-05] 京都市の大正期から昭和初期における西洋家具業界の成立
京都商工人名録を中心に
キーワード:Kyoto City's Three Major Projects, Takase River water transport, Daiten Memorial Expo Report
西洋家具の日本での受容について、その始まりや様式について考察した研究はいくつか見ることができる。しかし、洋家具業者が具体的に日本国内でどのように浸透していったのかを調査した研究は余り見当たらない。 小論では、京都商工人名録に掲載された西洋家具業者名とその住所及び営業税額を基準として、明治から昭和初期の京都市内における西洋家具業界の広がりを検証し、その背景を分析した。この分析により、①京都市内の家具業者は、高瀬川沿の、江戸時代から続く木工製作の場で始まった。②明治から大正に掛けての京都市の三大事業と共に、家具業界は拡張し、その所在地は都心部周辺に拡散していった。③『大典記念京都博覧会報告』からは、洋家具が京都の産業の一端を担う分野として成立していたことが確認できた。