第16回全日本民医連看護介護活動研究交流集会

【運営委員長挨拶】第16回 全日本民医連 看護介護活動研究交流集会 開催にあたって

憲法でアクション!!
ケアこそ未来を切り拓く

運営委員長: 藤牧和恵(石川・城北病院)

全国の民医連事業所で働く看護・介護職員の皆さん、お元気ですか?
今回の集会は6年ぶりの対面での開催が決まり、運営委員会と現地実行委員で、皆さんと会えることを楽しみに準備を進めてきました。
2024年1月1日、私の地元である石川県能登地方で、最大震度7の巨大地震が発生し、多くの方がお亡くなりになりました。いまだに倒壊した家が手つかずで、先の見通しが立たず避難所生活を送られている方がほとんどです。ご冥福をお祈りするとともに、被災された方が一日も早く日常生活を取り戻せるようにと願います。能登の事業所では、職員自らが被災しながら地域の医療を守るために奮闘しています。全国から寄せられたあたたかい応援メッセージやたくさんの支援は「全国はひとつ」を実感し大きな力となっています。避難所の劣悪な環境や、要介護高齢者の受け入れ先がない、二次避難所での孤立などの問題を見ると、これまでの災害の教訓がいかされていないと感じます。今回、セミナーのひとつに「みんなで取り組む災害対策」をあげました。開催地となる熊本でも、2016年に地震による大きな被害を経験し復興してきました。各地で相次ぐ災害から得られた教訓、そして被災者に寄り添う看護職・介護職、地域とともに困難に立ち向かう民医連の事業所の取り組みを共有しましょう。
2023年5月ー新型コロナウイルス感染症が五類感染症となり社会は変化しています。
これまでの4年に渡るコロナ禍で、医療介護の現場はどうなったでしょうか。高齢者の入院拒否や、経済的困窮による受療権の問題など健康権の侵害が起きました。看護・介護の現場では、心身ともに疲弊し、職場を離れる人もいました。そんな中でも目の前の患者さん、利用者さんのため懸命に頑張ってきた私たち民医連の看護・介護を語り継ぎたいと、第45期全日本民医連看護委員会では「未来にのこしたい コロナ禍のきらっと看護介護実践集」を書籍化しました。今集会でも、自分達の実践を可視化し交流することで、民医連の看護・介護を発展させ継承していきましょう。
世界ではロシアとウクライナの戦争が続き、国内では憲法違反の戦争する国づくりが進められています。私達は命を守り、その人らしく生きることを支えるケアの専門職として、命と人権を奪う戦争ではなく、社会保障の充実が必要であると声をあげてきました。様々な団体や地域との共同の営みとして、ナースアクション、介護ウエーブの大運動が全国で拡がりました。その運動を通じて職員・学生が成長しています。今集会のテーマは「憲法でアクション!ケアこそ未来を切り拓く」です。憲法にうたわれた、誰もがその人らしく健康に生きる権利を守り、ケア労働者が生き生きとやりがいをもって働くことが出来るようにアクションを起こすことで、運動は大きく拡がることを確信しました。民医連の看護の根幹には憲法と綱領がある、だからどんな困難な状況でもブレずに前進してこれました。全日本民医連は70周年を迎え、これからの10年もケアの視点で「非戦・人権・くらし」を守る実践をしていきましょう。最後に、学習講演は、熊本民医連くわみず病院の板井八重子医師から「水俣病」をテーマにお話しいただきます。熊本の地で、人権についてあらためて考える時間としたいと思います。皆さんのご参加をお待ちしています。