第28回 日環協・環境セミナー全国大会 in 広島

特別講演

特別講演1

「豊かな海をめざし目指して---今後の栄養塩管理の在り方---」
 

   広島大学名誉教授

   放送大学名誉教授

   岡田 光正 氏

 



講演概要

 かつて「瀕死の海」と呼ばれた瀬戸内海は、排水規制、総量削減などによって水質改善が進んできたものの、漁獲量の減少やノリの色落ちの頻発など新たな課題が浮き彫りとなった。このため、本年6月に成立した瀬戸内海環境保全特別措置法では、栄養塩類不足や、気候変動等による新たな課題に対応するため、①地域合意による栄養塩類の供給等、管理のルールの整備、②自然海浜保全地区の指定対象拡充による藻場・干潟の再生・創出の取組の推進、③海洋プラスチックごみを含む漂流ごみ等の発生抑制対策の推進等を行うこととなった。これまでの汚濁負荷の一方的削減とは異なり、生物の多様性及び生産性
の確保のために特定の海域への栄養塩類供給を可能にするという特別措置が認めるとともに、周辺環境の保全との調和・両立を確保するた
め、栄養塩類管理が環境に及ぼす影響について調査・評価しながら随時計画を見直すという順応的管理が求められるようなった。

 


特別講演2


「低炭素社会に向けたクリーンコールテクノロジーの役割」
 
 
     大崎クールジェン株式会社
  取締役総務企画部長
  細越 俊哉 氏

 


講演概要
石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)とCO2分離・回収技術を組み合わせた革新的低炭素石炭火力の実現を目指す大崎クールジェンプロジェクトは、経済産業省の補助事業として2012年度から開始し、2016年度からは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として進められている。
 大崎クールジェンプロジェクトは3段階に構成され、第1段階ではIGFCの基盤技術となる酸素吹石炭ガス化複合発電(IGCC)実証試験を行い、プラント効率、負荷変化率などの全ての目標を達成した。第2段階ではCO2分離回収設備を追設したCO2分離・回収型酸素吹IGCCの実証試験を行っており、現在はプラント運用性・信頼性の検証を進めている。第3段階ではさらに燃料電池を追設したCO2分離・回収型IGFCを実証する計画であり、現在燃料電池設備の建設工事を進めているところである。本講演では、プロジェクトの概要と進捗状況について説明する。