第28回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会

実行委員長挨拶

第 28 回
地下水・土壌汚染とその防止対策に関する
研究集会開催にあたって


 

第 28 回 実行委員長

(公益社団法人日本水環境学会)

川辺 能成

早稲田大学 創造理工学部

教授

 第28回を迎える本研究集会を2023年6月15・16日に北海道函館市の函館市民会館で開催いたします。新型コロナウィルスは未だ収束の見通しは立っておりませんが、ワクチン接種の拡大や最近の感染状況を鑑み、十分な感染対策を行えば現地開催が可能であると判断いたしました。ただし、感染状況によっては開催の方法が変更する可能性もありますことにご理解をお願いいたします。

本研究集会は、日本水環境学会、廃棄物資源循環学会、地盤工学会、日本地下水学会および土壌環境センターが共催して開催しております。また、多数の学協会ならびに開催自治体にご後援いただきますことに厚く御礼申し上げます。

1991年に京都で第1回が行われて以来、全国各地で30年以上開催されてきた本研究集会ですが、北海道での開催は2002年に北海道大学で開催されてたのを最後に、およそ20年ぶりの開催となります。函館市は食・景観・温泉・人情味あふれる非常に魅力的な街です。この地で、地下水・土壌汚染の修復に関わる技術者や研究者に多くお集まりいただきまして、活発に意見・情報交換できる機会にしていただければと存じます。また、北海道は大学等の数も多いことから、地下水・土壌研究に携わる学生の皆様にも多くご参会いただき、地下水・土壌汚染対策に関わる最新の研究や技術を直接学べる機会を提供できればと考えております。

北海道は古くから鉱工業や農業が盛んな地域で、道内各所に鉱山や炭鉱が存在しているほか、広大な農地を有しております。そのため、鉱山周辺や建設工事等で発生する自然由来重金属類や農用地における硝酸性窒素や農薬等の問題に関する基礎的知見や評価技術について活発な議論や情報交換ができることを期待しております。また、地域を特定することなく、有機フッ素化合物(PFOS、PFOA等)、1、4-ジオキサンといった地下水・土壌汚染として新たに対応を求められる化学物質に関する知見・技術、微生物利用をはじめとした各種汚染修復技術、リスク評価をベースとした評価手法ならびに地下水・土壌汚染の調査・試験法等、地下水・土壌汚染とその防止対策のための研究要素や課題は未だに多く残っているものと考えております。本研究集会が、これらの課題を一つ一つ解決していくための、情報集約の場ならびに新たな技術開発へ発展できる場として、ご参加された皆様にとって有益にものとなることを祈念いたします。