第28回近畿臨床工学会

講演情報

一般演題

一般演題4
機器管理

2022年10月9日(日) 12:30 〜 13:20 第3会場 (Zoom)

座長:井口 新一(医仁会武田総合病院)、小林 芳彦(公立甲賀病院)

[04-02] フローチャートを用いた麻酔器始業点検表の作成

*西澤 洸一1、服部 幹太1、小野寺 広希1、小西 康司1、畠中 利英1 (1. 奈良県立医科大学附属病院医療技術センター)

[緒言]全国的に麻酔科医師が不足しており、現状では施設によっては看護師が麻酔器の始業点検を担っている。当院においても、麻酔科非管理症例においては看護師が麻酔器の始業点検を行なっている。しかし、点検項目が多く、時間がかかってしまい、正しく行われていない可能性がある。そこで、医療事故を防止するために看護師向けの麻酔器始業点検表(以下始業点検表)を作成した。
[方法]日本麻酔科学会が提唱している“麻酔器の始業点検”を基にして、当院手術室に設置している全種類の始業点検表を看護師向けに作成した。
[結果]当院手術室に設置している麻酔器Apollo®(Drager、ドイツ)、PRO-55(アコマ医科工業株式会社、アメリカ)、Aysis(GE Healthcare、アメリカ)、Aysis CS2(GE Healthcare、アメリカ)、Aspire(GE Healthcare、アメリカ)、Aestiva(GE Healthcare、アメリカ)の始業点検表を作成した。
[考察]始業点検表を看護師にもわかりやすい表現を用いて作成した。看護師を対象とした麻酔器の構造や始業点検についてまとめた文献もある。そのため、看護師が麻酔器の始業点検を正しく行うことは重要であると考える。また、インシデントや医療事故の報告も散見される。これは、麻酔器の操作が煩雑なことが要因の1つであると考察されている。各麻酔器において操作が異なるので、始業点検の方法を正しく理解できない可能性が考えられる。始業点検表は、フローチャート式で写真を多く使用し、視覚的に理解できるように工夫した。今後は勉強会を開催し、始業点検表の有用性の評価、インシデントや医療事故防止に努めようと考えている。
[結語]麻酔器の始業点検表を作成した。今後も、点検表を作成し、臨床工学技士として医療安全の向上を目指していきたい。