The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

一般演題5
血液浄化②

Sun. Oct 9, 2022 1:30 PM - 2:30 PM 第3会場 (Zoom)

座長:下村 太郎(大阪赤十字病院)、中村 拓生(明石市立市民病院)

[05-04] e-CARTの有用性を検討

*足立 明子1、須川 諒平1、徳永 幸子1、松田 英樹1 (1. 西陣病院 臨床工学科)

【背景】
2021年8月株式会社カネカメディックスより腹水濾過濃縮再静注法(以下:CART)の装置としてe-CARTが承認された。e-CARTの特徴は小型軽量、濾過濃縮の自動化、膜洗浄が可能などが挙げられる。
【目的】
e-CARTの有用性を検討する。
【方法】
漏出性腹水患者1名を対象にして、CARTを2回実施。前1回をTR55X-Ⅱ(以下:55X)で実施、後1回をe-CARTで実施して比較した。膜はマスキュア腹水濾過フィルタ・マスキュア腹水濃縮フィルタを使用、回路は落差の外圧濾過方式と循環濃縮方式で統一した。 比較項目は原腹水量、原腹水蛋白濃度、腹水濃縮率、濃縮腹水蛋白濃度、処理時間とした。 e-CART施行者には簡易ガイドを渡して実施してもらい、使用した感想を確認した。
【結果】
55Xでは原腹水量5.7L、原腹水蛋白濃度4.3 g/dl、腹水濃縮率5.2倍、濃縮腹水蛋白濃度22.5g/dl、処理時間82分47秒であった。 e-CARTでは原腹水量6.6L、原腹水蛋白濃度4.1 g/dl、腹水濃縮率5.1倍、濃縮腹水蛋白濃度21.4g/dl、処理時間80分20秒であった。 e-CART施行者は問題なく実施でき、感想として自動で行えて簡易である、処理中に離れることが出来るなどを挙げた。
【考察】
腹水濃縮率と濃縮腹水蛋白濃度から同様の濃縮腹水が出来たと思われる。 e-CARTの方が原腹水量が多かった。しかし処理時間は同様であったことからe-CARTの方が処理能力が高いと思われる。それは、自動で流量制御を行い、定圧循環することで濃縮フィルタの能力を最大限に発揮できたからと考えられる。 e-CARTは自動制御のためスタッフの負担が減り業務の効率が向上すると考えられる。
【結語】
e-CARTは手技の自動化により業務の効率が向上されることから有用性があると思われる。