13:40 〜 14:00
[1207] データ駆動を用いた土壌中成分間の関係性の標準化
司会:晴山渉(岩手大学)
キーワード:土壌, 因子分析, クラスター分析, 高次元データ
本研究では、日本国内の様々な土壌中の無機物質の含有量に着目し、因子分析及びクラスター分析を実施することで、土壌の地球化学特徴の抽出から土壌の構成成分の考察を行った。因子分析及びクラスター分析は、高次元データに隠れたパターンを見出すためによく用いられる。分析結果から、土壌中の成分は、大きく3つのグループに分けられることが示された。1つ目は、酸化還元に関する要素を持つグループ(酸化還元:TiO2、Fe2O3、Al2O3、MnO及びCr)で、2つ目は、主要成分に関するグループ(主要成分:SiO2、Na2O、K2O、CaO及びMgO)、3つ目は、重金属類に関するグループ(重金属類:Cu、Zn、As及びPb)である。土壌中の成分は、様々な土壌で共通した重要な因子を有しており、土壌の形成に関わる母岩の風化・浸食、植生作用や微生物による酸化還元、外部からの流入などの要素が統計処理によって明確に示された。土壌の分類や土壌中の重金属類の由来の判別において、各グループ内の元素間の関係性やグループの関係性が重要な要素となり、本研究で示した元素間の関係性は、土壌の標準的な指標となると考えられる。
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