13:30 〜 14:00
[1408] 【小企画】岩層・炭層からのガス回収を目指して
釧路南東部の白亜系基盤水と岩層メタンガスの分析結果と考察
司会:福井勝則(東京大学)
キーワード:釧路コールマイン, メタン, 白亜系, 同位体
釧路コールマインの鉱区周辺における白亜系岩盤層(汐見累層)内には,メタンガスが賦存していることが知られている。本汐見累層のビトリナイト反射率はおよそ0.6程度に達し,熱分解起源のメタンを生成し得る程度とみなせる。しかしながら,汐見累層から湧出するメタンや溶存メタンの炭素同位体比は-70~-80‰前後と低く,微生物起源を示唆する。また,主に有機物の熱分解により生成するとされるエタンも,汐見累層から湧出するものについては,その炭素同位体比は-40~-70‰と低く,微生物起源を示唆する。このことから,汐見累層に胚胎する微生物起源のメタンおよびエタンは,後成的に付加された可能性がある。本検証を目的に,汐見累層の吸着ガスおよび,吸着ガス除去後の試料粉砕により湧出する残留ガスを回収し,それぞれのガス中に含まれるメタンの炭素同位体比を測定した。その結果,残留ガス中のメタンは熱分解起源を示唆し,比較的古い時代に形成されたと推察された。一方で,吸着ガス中のメタンは微生物起源を示唆し,熱分解起源のメタンを後成的に置き換えたと推察された。
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