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[1704] 地下残留原油の微生物利用によるメタン変換回収の可能性
司会:板倉賢一(室蘭工業大学)
キーワード:メタン生成菌, 原油分解細菌, 安定炭素同位体トレーサー法, 残留原油, MEOR
国内油ガス田において、酢酸等の有機酸や水素、CO2をメタンに変換する微生物が普遍的かつ優占化して地下に存在することが我々の最近の国内油ガス田試料を用いた培養試験や菌叢解析調査により明らかとなっている。さらに、これら地下微生物を利用した効率的な化石燃料の回収可能性を検討すべく、国内の2油田(八橋油田および新堀油田)の地下油層より流体試料を採取したうえで、常在微生物を含む油層水と原油を用いて、それぞれ地下油層と同じ温度・圧力条件(55℃・5MPa)に設定し培養実験を実施したところ、メタン濃度の急激な上昇が確認された。当該生成メタンの安定同位体トレーサー法による反応経路評価により、生成したメタンはトルエン分解由来であることを確認するとともに、高圧培養実験後の油層水中の微生物群集構造解析により、古細菌では酢酸資化メタン生成菌、細菌では未培養細菌JS1がそれぞれ優占化していることが判明した。これら実験結果から、新堀油田中に原油分解細菌が存在していること、当該原油分解菌は未培養JS1の可能性が高いこと、さらには利用したWS培地が原油分解機能賦活化に効果的な栄養源となることが示された。
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