湿式素材プロセッシング

[1806] イミダゾリウム系イオン液体の抽出挙動に及ぼすアニオン構造変化の影響

^○大胡貴仁¹, 北義弘¹, 新井剛² (1.芝浦工業大学 大学院 理工学研究科 材料工学専攻, 2.芝浦工業大学 工学部 材料工学科)

司会:佐々木秀顕(東京大学)

キーワード：イオン液体, レアメタル, 資源回収, 溶媒抽出

希少金属の多くは産出される地域の偏在性が高く、自国内での資源供給体制の確立は論を待たない。このような背景から、「都市鉱山」からの希少金属の回収が着目されており、湿式法による金属回収法は溶媒抽出法が主流である。本法は大規模な処理が可能である一方、工程の長大化や多量の二次廃液の発生等、課題も山積する。そこで筆者らは、不揮発性等の特徴を有するイオン液体を抽出剤とした分離法を提案した。本研究の成果から、イオン液体である1-Butyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide(以下、[C₄mim][Tf₂N]と略記)は金属イオンに対して抽出能を有し、抽出した金属イオンは電解によって析出回収できることが示された。しかし、同じイミダゾリウム系カチオンを有し、アニオン種がhexafluorophosphateのイオン液体と抽出挙動に差異が確認された。本会では、イミダゾリウム系イオン液体のアニオン構造変化に刮目し、[C₄mim][Tf₂N]による各金属イオンの抽出挙動等の基礎的な検討を行ったので報告する。