坑廃水の水量低減・水質改善技術開発の展開

[3608] Study to Safety Assessment of Sealing Mining Levels for Reduction of Mine Drainage

^○富山眞吾¹, 山口耕平¹, 五十嵐敏文² (1.三菱マテリアル株式会社, 2.北海道大学)

司会:迫田昌敏(JOGMEC)

Keywords:休廃止鉱山, 発生源対策, 坑内空間充填, 安全性評価

坑内空間充填技術は坑内水量低減及び水質改善が期待される一方で、充填に伴う地下水流動の変化等が鉱害防止上のリスクになり得る可能性が想定される。そこで、充填による地下水理環境の変化等が安全面に与える影響の評価方法を検討した。他事業分野である放射性廃棄物処分や二酸化炭素地中貯留では、地層や坑内水、充填材等を充填に係るシステムとみなして、それぞれの特性（Feature）、出来事（Event）や過程・経過（Process）（FEPと総称）を整理し、影響を定量化する手法を適用している。これを参考として、地下空間充填における安全評価のフレームワークを構築し、模擬的に仮想サイトを設定し試行的な定量評価を行った。避けるべき事象のうち、充填に伴う地下水位の上昇と坑口からの坑内水の流出をシナリオとして評価した結果、坑内空間充填では地表部からの浸透水量が減少するため地下水位は上昇しないことが予測された。対して参考ケースとして検討した坑口プラグ打設では地下水位が上昇し、近傍の坑口から坑内水が流出する予測結果が得られ、適切な施工方法・個所を選定することでリスクを回避できる可能性が示唆された。