高温素材プロセッシング

[3803] RE_xO_y(RE=Nd,Dy,Pr)-Al₂O₃-SiO₂ 三元系状態図

^○齋藤悠介¹, 関本英弘², 岩渕仁那², 山口勉功² (1.岩手大学大学院, 2.岩手大学)

司会:安田幸司(京都大学)

キーワード：状態図, 希土類元素

希土類元素のリサイクルは、資源循環型社会の構築などの観点から重要である。近年、B₂O₃をフラックスに使用したネオジム磁石のリサイクルプロセスが複数提案されている。しかし、生成した希土類含有スラグから希土類を抽出する過程で多量のホウ素含有廃液が生じるため、環境への負荷が大きいのが問題である。B₂O₃に替わる新たなフラックスの検討をする際に、状態図が有用であるが、希土類酸化物を含む状態図の報告例は少ない。本研究では、温度1400℃におけるRE_xO_y(RE＝Nd,Dy,Pr)-Al₂O₃-SiO₂ 三元系状態図を平衡実験によって決定した。試料を炭素坩堝に挿入し、温度1400℃で24時間保持した後、Arガスを吹き付けて急冷し、得られた急冷試料に対し、EPMAによる組織観察ならびに生成相中の元素濃度の定量分析を行った。また、XRDで相の同定を行った。結果、温度1400℃においてAl₂O₃-SiO₂系スラグへNd₂O₃、Dy₂O₃、Pr₆O₁₁はそれぞれ最大で60 mass%、57 mass%、58 mass%溶解することが分かった。