高温素材プロセッシング

[3808] 気泡流による溶融メタル－スラグ界面流動の流体力学的考察

^○夏井俊悟¹, 梨元涼太¹, 菊地竜也¹, 鈴木亮輔¹ (1.北海道大学大学院工学研究院)

司会:竹田修(東北大学)

キーワード：molten metal–slag, gas bubble, interfacial tension, computational fluid dynamics

熔融メタル相中の不純物を熔融酸化物(スラグ)中に除去する乾式精錬プロセスにおいて、更なる高効率な操業のため、熱力学的な反応予測と平行して機械的な効率を向上する新たな知見を拡充していくことが求められる。本研究では、熔融メタル－スラグ間の動的分離機構を明らかにするため、Sn-(KCl-LiCl)eut.-Ar系をモデル系として高速度カメラを用いた流れ場の可視化実験、および多相流解析に拡張したSmoothed Particle Dynamics (SPH)法による3次元非定常場の数値流体力学モデル解析を試みた。モデル実験により、溶融メタル－スラグ－ガスの三相界面の形状は、局所的な浮力と界面張力のつり合いによってメタル液滴の分散形態が変化することがわかった。また、数値計算より、メタル相のスラグ相への貫入形態がエトベス数Eӧで整理可能と考えられる。一方、Eӧ一定の場合においても、高い界面張力を有するメタル相は気泡頂部の曲率に依存して張力方向が容易に変化するため、生じる液滴形状も大きく変化すると考えられる。