湿式素材プロセッシング

[PY-11] [C_nmim][Tf₂N]を溶媒とした都市鉱山からの白金族元素の新規分離・回収技術開発

^○松本佑美¹, 矢田祐士¹, 室井悟², 新井剛² (1.芝浦工業大学 大学院 理工学研究科 材料工学専攻, 2.芝浦工業大学 工学部 材料工学科)

キーワード：湿式分離, イオン液体, 白金族元素

近年、レアメタルの中でもパラジウムはプラチナの代替元素として、今後も需要が堅調に推移すると推測される。そのため、自国内における安定的な資源供給構造の構築は急務である。現在、都市鉱山からの資源の分離・回収には溶媒抽出法が採用されているが、多量の有機溶媒を含む二次廃液の発生や有機溶媒の使用に伴う環境負荷の増大が懸念されている。そこで本研究では、抽出剤の溶媒に不揮発性・難燃性等の特徴を有するイオン液体を用いることで現行の溶媒抽出法の改善を試みる検討を重ねている。本研究成果から、1-alkyl-3-methyl imidazolium bis [(trifluoromethyl)sulfonyl ]imide (以下、[C_nmim][Tf₂N]と略記)を抽出剤であるtriphenylphosphine (TPP)の希釈溶媒とすると有機溶媒を用いた時よりもパラジウムの抽出能に優れることが確認され、従来法よりも低環境負荷で効率的な分離プロセスが創世できる可能性が示唆された。本会では、[C_nmim][Tf₂N]をTPPの希釈溶媒とした場合の目的回収元素の抽出挙動等の基礎的な検討を重ねたので報告する。