一般社団法人資源・素材学会 平成29(2017)年度春季大会

講演情報(2017年2月23日付)

一般講演

鉱物処理

2017年3月28日(火) 09:30 〜 12:00 第2会場 (6号館 3階 636講義室)

司会: 三木一(九州大学),綱澤有輝(産業技術総合研究所)

11:30 〜 11:45

[2201-09-08] Acidithiobacillus caldusを主とする集積菌による黄銅鉱精鉱からの銅浸出条件の検討

國廣 俊太1、新川 達也1、神谷 太郎1、千田 佶1、小島 和浩1 (1. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)

司会: 綱澤有輝(産業技術総合研究所)

キーワード:バイオリーチング

JOGMECでは、一次硫化銅鉱石から集積培養した菌(MC1)を用いて、黄銅鉱精鉱を用いたフラスコバイオリーチング試験を実施している。
MC1はAcidithiobacillus caldus (At.caldus)を主とする菌群であり、浸出液の条件により、硫黄酸化能力または鉄酸化能力を示すことが確認されている。
昨年の秋季大会では、浸出液のpHが1.0のときにMC1の鉄酸化能力が活性され、ORPが過剰に高くなり、黄銅鉱精鉱からの銅浸出が抑制されることを報告した。本試験では、浸出液のpHをAt.caldusの活動に適する2.5としたときの菌接種による銅浸出への影響を調査した。
当試験ではpH2.5に調整した除チオ硫酸ATCC1995培地を浸出液として、黄銅鉱精鉱1gと元素硫黄0.05gを入れ、MC1を接種したものと未接種のものを用意した。
結果として、MC1接種による銅浸出の促進がみられた。未接種と比較してMC1接種の条件では、pHの低下及びORPの上昇がみられた。pHの低下は元素硫黄がMC1により酸化されたためと考えられた。また、ORPの上昇はMC1が精鉱試料から溶出した第一鉄イオンを酸化した影響と考えられた。ORPが一定値を超えたとき、銅浸出速度は減退した。
前大会で示したpH1.0下でMC1を接種した条件と比べて、電位の上昇速度は低く、MC1の鉄酸化能力はpHに依存することが示唆された。

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