一般社団法人資源・素材学会 平成30(2018)年度春季大会

講演情報(2018年2月23日付 確定版)

企画講演

資源探査に関する研究の動向と大規模データプロセッシング

2018年3月29日(木) 09:45 〜 11:45 第6会場 (2号館1F, 212号講義室)

司会:桑谷 立(国立研究開発法人海洋研究開発機構),木崎 彰久(秋田大学)

11:15 〜 11:30

[3601-07-06] 海底熱水活動域の岩石試料に関する電気伝導度特性のモデル化

○後藤 忠徳3,1、大田 優介1、小池 克明1、柏谷 公希1、林 為人1、多田井 修2、笠谷 貴史3、金松 敏也3、町山 栄章3 (1. 京都大学、2. マリンワークジャパン、3. 海洋研究開発機構)

司会:木崎 彰久(秋田大学)

キーワード:海底熱水活動、電気伝導度、導電性鉱物、硫化物

海底熱水活動域は近年、新たな金属資源鉱床としての開発が期待されており、現在までに様々な物理探査が国内外で行われている。しかしながら、物理探査で得られる情報には限りがあり、鉱物資源の空間分布を定量的に評価するには至っていない。本研究では岩石物理モデルに基づく物理探査の複合解析に着目し、沖縄沖海底熱水活動域で採取された岩石試料に関して、有用金属資源の含有量と比抵抗を結びつけられるような岩石物理モデルの構築を試みた。室内における測定・分析の項目としては、電気伝導度・間隙率・粒子密度・元素濃度・鉱物同定等である。このうち電気伝導度については、新たに岩石物理モデルを提案し、モデル中のパラメータを決定した。その結果、導電性鉱物の存在による導電項と導電性鉱物体積含有率との間に良好な正の相関関係が見いだされた。すなわち、新たに提案した岩石物理モデルの有効性が示されたといえる。今後はこのモデルを複素導電率モデルや力学的モデルへと拡張していくと共に、実際の物理探査結果(電気探査や地震探査)への適用し、資源量評価の可否を議論する予定である。

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