製錬工程におけるリサイクル原料由来のマイナーエレメントの影響について

[1K0201-06-03] 日立事業所HMC製造部における銅製錬工程マイナーメレント（Sb）の精製

○薄井 正治郎¹、小野 瑛基¹ (1. ＪＸ金属株式会社)

司会：中野 博昭（九州大学）、邑瀬 邦明（京都大学）

キーワード：銅製錬、リサイクル原料、マイナーエレメント、アンチモン

JX金属（株）日立事業所HMC製造部は、リサイクル原料および銅製錬工程中間品を原料とし、乾式製錬工程と湿式製錬工程を組み合わせた16種類の金属を回収する複合製錬プロセス（Hitachi Metal-recycling Complex）として2008年より操業を開始した。その後、リサイクル原料はパンパシフィック・カッパー（株）佐賀関製錬所での処理に集約し、HMC製造部は、同製錬所から発生する中間品から貴金属・レアメタルを回収する体制に変更し、現在に至っている。佐賀関製錬所では、現在、銅精鉱とリサイクル原料の増処理に取り組んでいる。銅製錬工程に悪影響を及ぼすマイナーエレメントとしてAs, Sb, Bi等があるが、Sbは、New chargeに占めるリサイクル原料由来の割合が多い。銅製錬所においてリサイクル原料を安定的に処理するためには、これらのマイナーエレメントを効率的に分離し系外カットすることが重要である。リサイクル原料の増処理を進める過程で、銅電解の操業成績に悪影響を与えるSbの系外カット量を増加させる必要が生じたため、銅製錬工程からより効率的にSb₂O₃として系外カットすることを検討し、実施した。HMC製造部における処理原料の変更および工程内で実施した改善について報告する。