資源探査の研究動向と大規模データプロセッシング

[1K0101-07-04] 複合的なリモートセンシング解析手法を用いた高植生被覆域での地熱兆候点検出

○久保 大樹¹、権守 宏明¹、ヘリアワン モハメドヌル²、イスカンダル イルワン²、小池 克明¹ (1. 京都大学、2. バンドン工科大学)

司会：桑谷立（海洋研究開発機構）

キーワード：Hyperion、地熱資源探査、リニアメント、植生指標、スペクトル分離

地熱資源探査の初期段階において，人工衛星画像を用いたリモートセンシング解析は対象地域の概要を把握し，詳細調査の対象となる地熱兆候点を見出すのに有用である。しかし，日本国内やアジア圏において，地熱ポテンシャル地域は山地部に存在することが多く，植生被覆によりその発見が困難な場合がある。そこで，波長分解能に優れたハイパースペクトルデータに対してスペクトル分離手法を適用し，植生と混在する熱水変質鉱物の情報を抽出することを試みた。スペクトル分離が困難な高植生被覆領域においては，反射特性に現れる植生ストレスの影響を見出すことのできる植生指標の検討を行った。地熱発電所が稼働しており，温泉や噴気帯など複数の地熱兆候点の存在が確認されているインドネシア西ジャワ州のPatuha地区に対してそれぞれの手法を適用した結果，既知の地熱兆候点の周辺において熱水変質鉱物が分布し，一部の断層に沿って植生異常帯が広がる特徴が見出された。さらに数値標高モデルを用いたリニアメント解析や，現地土壌サンプルのXRD分析結果と比較し，抽出結果の妥当性を検証した。