【一般講演】 鉱物処理／ 環境／ リサイクル

[1K0601-08-01] （学生発表：修士課程） 沖縄トラフごんどうサイト海底熱水鉱床鉱石中の易溶性鉱物の同定

○野並 亨祐¹、大竹 翼²、相川 公政¹、伊藤 真由美²、佐藤 努² (1. 北海道大学大学院工学院、2. 北海道大学大学院工学研究院)

司会：芳賀 一寿（秋田大学）

キーワード：海底熱水鉱床、易溶性鉱物、塩化鉛鉱、沖縄トラフ、ごんどうサイト

将来の金属資源として期待されている海底熱水鉱床の鉱石は溶解性の高い鉱物を含むことがあり、浮選の際に溶出する金属イオンが浮選成績に影響を及ぼすことが報告されている。本研究では沖縄トラフごんどうサイト海底熱水鉱床鉱石を対象とし、偏光顕微鏡とSEMによる観察、XRFによる全岩化学分析、水による抽出試験、地球化学モデリングによる易溶性鉱物の生成条件の熱力学的検討を行った。水抽出試験の結果、陽イオンでは鉛と亜鉛イオン、陰イオンでは塩化物イオンと硫酸イオンの顕著な溶出が確認された。また、SEMによる観察の結果、鉛イオンが顕著に溶出した試料からは塩化鉛鉱が、亜鉛イオンが顕著に溶出した試料からは亜鉛を含む硫酸塩鉱物が確認され、これらが主要な易溶性鉱物であると同定できた。また、熱力学的な考察から、塩化鉛鉱は海底下における気液分離によって生成した鉛や塩化物イオンに富むブラインから沈殿したと考えられる。