資源・素材2021(札幌)

講演情報(2021年8月18日付 確定版)

一般講演

【一般講演】鉱物処理/環境/リサイクル

2021年9月14日(火) 13:00 〜 14:40 第6会場 (Webex)

司会:和嶋 隆昌(千葉大学)

13:00 〜 13:20

[1K0609-13-01] 相内鉱山及び精進川鉱山のパッシブトリートメントサイトにおける微生物叢と鉄沈殿物形成

○大友 陽子1、松居 達也2、チカンダ フランセス2、セレイロイス タム2、翼 大竹1、努 佐藤1 (1. 北海道大学大学院工学研究院、2. 北海道大学大学院工学院)

司会:和嶋 隆昌(千葉大学)

キーワード:パッシブトリートメント、酸性鉱廃水、鉄酸化細菌、鉄コロイド、シュベルトマナイト

パッシブトリートメントは自然環境を利用した低コストな鉱廃水処理法として注目されているが、現場での鉄沈殿プロセスと微生物活動の関係については未だ不明な点が多い。本研究では鉱廃水のpHが異なる秋田県相内鉱山 (pH6.2〜7.9)及び北海道精進川鉱山 (pH2.5〜3.5)において鉱廃水路の沈殿物及び菌叢を比較することで、微生物学的プロセスが鉄沈殿に与える影響について考察した。相内鉱山の沈殿物は鉄水酸化物のコロイド凝集体からなり、亜鉛を含む層状複水酸化物やマンガン水酸化物が観察された。微生物菌叢は鉄酸化細菌が主体であった。精進川鉱山では鉱廃水が排出する1坑に石灰水路が敷設されており、周囲の沈殿物を観察したところ、シュベルトマナイトコロイドのほか珪藻類などの菌体や体外分泌物の凝集体が多数観察された。鉱廃水はほとんど二価鉄を含まず、菌叢はシアノバクテリアが支配的であった。これら分析の結果、相内鉱山の鉱廃水路では鉄酸化細菌が二価から三価の鉄酸化を起こして鉄沈殿形成を促進しているのに対して、精進川鉱山鉱廃水では光合成を中心とした鉄沈殿の促進が起こっており、両サイトで鉄沈殿に関する微生物学的プロセスが大きく異なることが示唆された。

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