14:40 〜 15:00
[1K0209-19-06] (学生発表:修士課程) 岩石とコンクリートにおける透水係数の有効封圧依存性
司会:濵中晃弘 (九州大学),玉村修司 (幌延地圏環境研究所)
キーワード:泥岩、高強度高緻密コンクリート、放射性廃棄物地層処分、透水試験、有効封圧依存性
放射性廃棄物の地層処分は,人工バリアと天然バリアからなる多重バリアシステムの考え方に基づき,放射性物質を長期間閉じ込められるように設計がなされている.本研究では,天然バリア材料の候補として泥岩と花崗岩に対して,人工バリア材料としては現在開発が進められている高強度高緻密コンクリート(HSULPC)に対してトランジェントパルス法を用いて透水試験を行い,透水係数を測定した.その結果,いずれも低い透水性を示し,さらに透水係数の有効封圧依存性やヒステリシス現象も確認された.そこで,有効封圧依存性係数を導入し,定量的な考察を試みた.結果として,岩石とコンクリートにおいてはヒステリシスの性質に違いがあることが明らかとなった.HSULPCについてはSEM観察を実施し,透水性に影響を与える空隙に違いがあるかどうかを検討した.HSULPCの骨格構造の変形のし難さや扁平なき裂の少なさ,また,透水試験中に供試体内部において未水和領域で水和反応が起こり,空隙やき裂の閉塞を促進した可能性を指摘した.これらのことより,HSULPCにはヒステリシスが顕著に表れていると考えられる.そのため,HSULPCが地下に埋設されて外力を受けた後は,低い透水係数で安定すると考えられる.
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