【一般講演】 岩盤工学／ 資源開発技術

[2409-17-09] (学生発表：修士課程)流体流動に起因する微小振動への全波形逆解析の適用

○石月 綾音¹、三ケ田 均¹、武川 順一¹ (1. 京都大学)

司会：佐藤晃（熊本大学）

キーワード：受動的地震波探査法、全波形逆解析、流体計算

近年，石油生産の現場において受動的地震波探査法への関心が高まっており，石油生産に伴う微小振動を用いて貯留層内の流体流動部を推定できることも観測により示唆されている。著者らの研究グループでは流体流動に起因する微小振動を用いた受動的地震波探査法について，シミュレーションを用いてその有効性を評価している。これまでの研究により，貯留層内部の微小な間隙を水と油の二相流が通過する際に発生する微動を地上で観測することで，その震源位置を推定できることが確かめられた。しかしながら，貯留層内の流路や流速といった流体挙動に関する情報を取り出すことは難しい。そこで本研究では地上で得られた観測波形に全波形逆解析を適用することで，地下の流体流動方向を抽出することを試みた。全波形逆解析を用いるにあたり，観測波形を複数の周波数帯に分け，段階的に流体流動方向の推定を行うことで誤差の少ない推定結果が得られた。これらの結果から，地上での観測データから地下の流体流動に関する情報を取得できる可能性が示された。