【企画講演】坑廃水処理対策および汚染土壌の不溶化処理に関する動向

[2501-05-04] 石灰石やコンクリート廃材を活用した高濃度Zn・Cdを含む坑廃水へのパッシブトリートメント適用の検討

○堀内 健吾¹、濱井 昂弥¹、池上 直樹¹、正木 悠聖¹、高本 宏介¹、髙谷 雄太郎^2,3、所 千晴^3,2 (1. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構、2. 東京大学、3. 早稲田大学)

司会：中村謙吾（東北大学）

キーワード：坑廃水、パッシブトリートメント、石灰石、コンクリート廃材、休廃止鉱山

金属鉱業の一部の休廃止鉱山では、排水基準を超える有害な重金属を含む坑廃水が半永久的に流出し続けており、坑廃水処理のランニングコスト低減が重要な課題となっている。本研究では省コスト化として期待されている人工湿地型のパッシブトリートメントに着目し、パッシブトリートメントで用いる中和剤の候補を絞り込み中和性能を評価した。また、高濃度のZnやCd等を含む酸性坑廃水を対象として中和試験を行ったところ、反応槽の前段で石灰石に通水し重炭酸イオンを溶出させ、後段でコンクリート廃材に通水しpHを上昇させることで、一部金属イオンは水酸化物ではなく炭酸塩化合物として析出させることができ、pHは8~10程度で必要以上にpH上昇させずに各金属イオンを沈殿除去できる可能性を見出せた。本プロセスは微生物を活用しないため、特に冬季の処理などで低温下であっても不活性化しにくく、硫酸還元プロセスの適用が難しい現場にも応用できる可能性も推測された。本報告では、これらパッシブトリートメント導入に向けた試験の進捗状況について述べる。