13:40 〜 14:00
[2506-17-03] (学生発表:修士課程)イソステアリン酸とTOPOによる深共晶溶媒(DES)を用いたスカンジウム(III)の分離と抽出平衡
司会:松本和也(秋田大学)
キーワード:スカンジウム、抽出、深共晶溶媒、イソステアリン酸、TOPO
ボーキサイトからのアルミナ製造後の残渣である赤泥は,これまで海洋投棄されて埋め立てに使用されてきたが、近年、国際条約による海洋投棄の制限または禁止により赤泥の有効利用の研究が進んでいる。赤泥中に多量の酸化鉄(III)や酸化アルミニウム(III)とともに少量含まれる希土類金属の中でも、特に近年先端産業への活用が期待され、需要が増大しているスカンジウムの分離回収が求められている。スカンジウムの分離回収については溶媒抽出法を用いた研究が盛んに行われているが、抽出は可能でも逆抽出が困難であり、また、溶媒を多量に使用するという問題がある。よって本研究では,新規抽出剤である深共晶溶媒(Deep Eutectic Solvent: DES)の原液を用いたスカンジウムの高選択的分離回収について検討した。イソステアリン酸およびTOPOのDES中での比率を変えることで、スカンジウム(III)、鉄(III)、およびイットリウム(III)それぞれの抽出挙動が変化し、イソステアリン酸:TOPO=2:1の時にスカンジウムのみを低pHで高選択的に抽出できることが分かった。また、イソステアリン酸にTOPOを加えることによるスカンジウム抽出の協同効果および、DESの拮抗作用についてDESのトルエン溶液を用いてスロープ解析を行った。
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